沖縄らしい時間のことを「島時間」と呼ぶことがあります。
南国の温かい風がそよぐなか、ゆったり、のんびりできる島時間を過ごすことは、沖縄旅行の醍醐味の一つです。
そんなひと時を叶えてくれるお店が、恩納村の島時間。
その名の通り、お店に一歩入れば心地よい潮風が吹き抜け、ゆったり、のんびり。
豊富な沖縄料理もいただける島時間の魅力をご紹介します。
1.沖縄の古民家風の趣ある店構え

島時間が位置するのは、沖縄屈指のリゾートエリア恩納村。
海が目の前に広がる国道58号線沿いに、約18年前に誕生しました。
こちらのお店の目印は、建物そのもの。
車で国道を走っていれば、遠くからでも目に留まります。

あくまでも古民家風ではありますが、すでに18年の時を重ねているせいか縁側も壁も柱も経年変化によって、ほどよい風情を湛えています。

店内には靴を脱いで入ります。
現在の沖縄の民家はほとんどコンクリート製ですが、こちらのお店は昔ながらの木造。
磨き上げられた床が美しく、木の温もりに満ちています。
広々とした空間には座敷席と掘りごたつ席、カウンター席が備えられていますが、もし空いていたら海を見渡せる座敷席に座ってみてください。
大胆に窓は開けられ、海からの風が心地よく吹き抜ける特等席です。
足を崩して、食事とともに窓の向こうの景色と流れる空気を味わうひと時。
まさに極上の「島時間」が過ごせそうです。
2.昼は沖縄そば、夜は沖縄居酒屋。充実の沖縄料理

居心地のよいお店でいただけるのは沖縄料理。
昼は沖縄そば、夜は旬の沖縄野菜や、新鮮な海の幸、県産豚などをふんだんに使った沖縄料理が80品以上揃います。
こちらは沖縄そばの上にアオサがたっぷり乗った「アーサそば」。
アーサはお店のある恩納村産で、磯の香りも味も濃く、そばによく絡みます。
スープは県産豚、良質で厚めの昆布、香り立つ枕崎産厚削り節からじっくり旨みを引き出していて、スッキリしながらコク深く、アーサとの相性も抜群。

自家製ジーマミー豆腐は、ぜひ食べていただきたい一品。
ピーナッツが主原料の沖縄伝統の豆腐で、市販品とは比べ物にならないほどもっちもち。
まったり濃厚な味わいが口いっぱいに広がります。

豊富な夜メニューの中でも人気なのが、金城アグーと島野菜のしゃぶしゃぶ鍋コース。
県内で最もアグーの原種に近いといわれるブランド豚「金城アグー」を中心に、沖縄近海産魚の刺身や県産もずく酢、スクガラス豆腐など、沖縄のおいしいものを味わい尽くせるコースです。

アラカルトメニューも充実しています。
せっかくなら珍しい料理を試してみてはいかがでしょう?
こちらは「ヒージャー刺し」、つまり山羊の刺身です。
火を通した山羊よりも食べやすく、独特の香りは病みつきに。

いつも提供できるわけではありませんが、「生島たこのお刺身」もおすすめ。
コリコリとした絶妙な歯ごたえがあり、噛めば噛むほど味の出るタコです。

夜は沖縄料理とともに、泡盛も楽しんでみてはいかがでしょう?
沖縄県内48酒造所の銘柄が揃っていて、特に地元の酒造所の作る「萬座」は人気です。
華やかで上品な香りが、沖縄料理の味を引き立てます。
温かな明かりがともる夜の雰囲気も魅力的な島時間。
青空と海が輝く昼でも、星が瞬く夜でも、それぞれの楽しみ方ができる島時間へ、ぜひ足を運んでみてください。
Text:仲濱 淳
Photo:白木 裕紀子
(取材:2024年2月)
住所: 沖縄県恩納村恩納7335-4
電話番号: 098-966-1111
営業時間: 11:30~15:00/17:00~22:00
定休日: 木曜
駐車場: あり

