薄毛に悩む多くの人が気になるAGA治療。
実は、この治療は基本的に保険適用外で全額自己負担となります。
なぜなら、AGAは生理現象として定義され、健康に直接影響を与えない美容整形と同様の扱いになるためです。
ただし、頭皮の炎症や他の病気が原因で薄毛になっている場合は、保険が適用されることもあります。
本記事では、AGA治療にかかる費用や治療方法、費用を抑える方法について詳しく解説していきます。

新行内 出 医師
ナチュラルAGAクリニック / 日本美容皮膚科学会 / 日本抗加齢医学会 など
中目黒院・池袋院の2院、「薬に頼らないAGA治療」をコンセプトに掲げる「ナチュラルAGAクリニック」院長統括院長。飲み薬を使わず、レーザー治療や育毛剤、シャンプーを用いて、副作用の心配をできるだけ少なく、よりナチュラルな発毛を目指している。また、日本皮膚科学会発行のAGAガイドラインに完全準拠し、発毛効果と安全性が確認された治療のみを行っている。ナチュラルAGAクリニック(https://natural-aga-clinic.com/)。
AGA治療は保険が適用される?

結論から言えば、AGAと診断された場合は治療も自由診療に該当されることから、基本的に保険は適用されず、全額自己負担になります。
その理由について詳しく見ていきましょう。
保険が適用されない理由
まず、保険は健康を害する病気やケガの治療にかかった費用に対して適用されます。
しかし、AGAは生理現象に定義されているため、一般的な病気やケガとは別のものと区別されているのです。
薄毛になったとしても見た目が変化するだけで健康状態には影響がないので、しわやシミを取る美容整形と同じ扱いで自由診療になります。
AGA治療で保険が適用されることもある?

ただし、全ての薄毛治療が保険適用外になるわけではありません。
薄毛の原因はAGA以外にもさまざまです。
治療が必要な病的な要因があった場合には、保険が利用できることもあります。
保険適用の可能性もある薄毛治療
AGAだと思って受診して、頭皮に炎症を起こしていたり、他の病気が原因で薄毛になっていることがわかれば、その治療に対してかかった費用に保険が適用されます。
たとえば、円形脱毛症や免疫疾患による脱毛症、接触性皮膚炎といったトラブルが該当しますが、いずれの場合も医師の診断が必要です。
薄毛対策する際には、まず正確な原因を把握することが大切になります。
皮膚科でのAGA治療なら保険適用になる?
一部、皮膚科でAGA治療を始めると保険負担になると考えているかたがいますが、薄毛に病的な原因が認められなければ自由診療になることは変わりません。
保険が適用されるかどうかは、どこで薄毛治療するかではなく、医師による診断が基準になります。
たとえ、皮膚科を受診しても、AGAと診断されればかかる治療費はすべて自己負担です。
薄毛治療、AGA治療は保険適用外の自由診療なんです。理由は「髪はなくても死なないから」だそう。髪が無くても死なない?いろいろなことに挑戦したい心や活発に行動したい気持ちは死ぬのよ。ハゲってだけで。高校の学費無償もええけど、薄毛治療の保険適用も本気で考えてよね?たのむよ石破総理😭😭
— 禿吉@薄毛改善のプロ毛髪診断士 (@prohageitar) February 26, 2025
女性の薄毛治療は?
AGAは男性特有の病気ではなく、女性も頭皮環境の悪化やホルモンバランスの乱れが原因でFAGAと呼ばれる薄毛の症状が表れることがあります。
こちらも、FAGAと診断されれば治療は美容目的と見なされるため、自由診療扱いです。
SHIROMAしかし、FAGAではなく自己免疫疾患や甲状腺機能障害等の病的な要因で薄毛になっている場合は適用されるケースがあります。
※沖縄での女性薄毛治療について知りたい人はこちら。
AGA治療は医療費控除・高額療養費の対象になる?


AGA治療は長期間に及ぶことから、改善までにかかるトータル費用が高額になることがほとんどです。
もし、医療費控除や高額療養費の対象になれば助かりますが、実際利用できるのでしょうか。
医療費控除の対象になる?
そもそも、医療費控除は病気と怪我の治療、症状改善の施術が対象です。
サプリメントの摂取や予防接種といった病気にならないための対策や、美容整形などが対象外であるように、病気ではないAGAの治療費も除外されます。
最終的には税務署がどう判断するかですが、容姿を整えるための行為にかかる費用は控除対象の医療費として認められない、というのが一般的な考えです。
高額療養費の対象になる?
高額療養費に関しても、AGA治療が保険適用外である以上は認められません。
高額療養費は病院に支払う医療費負担が重くなりすぎないように、一定額以下に抑える目的で支給されます。
1か月間に同じ医療機関に支払った費用を世帯で合算し、限度額を超えた場合に対象になりますが、そもそも薄毛治療が自由診療のため計上できません。
期待したいセルフメディケーション税制
セルフメディケーション税制は、特例として特定の医療品を購入した際に所得控除を受けられる制度で、年間購入額12,000円以上で申告できます。
対象になるのはスイッチOTC医薬品というもので、パッケージにもセルフメディケーション税制が受けられることが書かれているのでわかりやすいでしょう。
今後治療を検討しているかたは、この制度を覚えておいて損はありません。
AGA治療はどこで行う?


AGAはさまざまなところで治療を受けられます。
それぞれに利用のメリットやデメリットがありますので、治療を開始する前にこれらの特徴や違いについて見ていきましょう。
専門病院
近年増えてきているのが、AGA治療の専門クリニックです。
AGAに関する知識と経験が豊富な医師が診断を行い、クリニックが独自に開発した治療薬や治療法を用いた発毛医療を受けられます。
費用が高額になりやすいものの、短期間で発毛を実感しやすいのが特徴です。
さまざまな治療プランが用意されており、症状や予算に合ったものを選べるようになっています。
一般病院
一般病院では、主にAGAの進行を遅らせる治療が行われています。
そのため、発毛を実感するのは難しく、あまり期待はできません。
薄毛が気になるものの、現状を維持することを第一に考えたいかたに向いています。



医師が診断、薬の処方を行っているので安心感がありますし、専門クリニックと比較して治療費が抑えられるのがメリットです。
育毛サロン
育毛サロンでは頭皮の洗浄や血行促進効果のあるマッサージやツボ押しといった施術が行われています。
食生活や生活習慣指導なども通して、薄毛改善を目的としている施設です。
治療検討中のかたや、自分で対策していく方法がわからないかた、なるべく薬を使用せずに進行を遅らせたいかたに向いています。
ただし、利用費用は高めです。
自分の家
薄毛はセルフケアも可能です。
医療機関に頼ることなく、市販のシャンプーや育毛剤を利用して抜け毛を減らしていくこともできます。
通院する必要がなく自分のペースで対策できますし、安上がりなのが魅力的な方法です。
ただし、継続には根気が要りますし、症状に合っていない対策で効果が表れなかったり、逆に悪化してしまう危険性もあります。
AGA治療ではどのくらい費用がかかる?


全額自己負担になってしまうAGA治療について、どのくらいの負担がかかってくるのか気になるところです。
どこで治療するか手段にもよりますが、月々の平均的な負担額を確認しておきましょう。
AGA治療の費用相場
カウンセリングは無料で実施しているクリニックがほとんどです。
診察で希望を聞いた上で治療が開始しますが、現状を維持したり、薄毛を予防する目的で治療を行う場合には1か月あたりの費用相場は安ければ3,000円、高くても10,000円程度でしょう。
内服薬や外用薬1種類から対応しているので、かなり抑えられます。
さらに発毛や増毛を希望する場合には、8,000円から30,000円程度です。
また、低出力レーザー治療は10000円前後となります。
AGA治療薬の費用相場
処方される薬にもよりますが、内服薬1種なら5,000円から8,000円。
一般的に利用されているフィナステリド錠は月々5,000円前後、デュタステリドやミノキシジル錠は少し高めで10,000円前後です。
外用薬1種で5,000円から10,000円前後といったところでしょう。
ミノキシジル外用薬は5,000円から、高濃度なものになると20,000円ほどかかります。
治療費はクリニックにより異なる
AGA治療は自由診療になりますので、クリニックはそれぞれの判断で診察代や薬の料金を設定できます。
そのため、治療法や処方される薬が同じでも、クリニックによって治療費が違ってくるのです。
各クリニックの公式サイトを確認することで、大体の治療費を把握できますから、利用する前に比較しておくことをおすすめします。
AGA治療費をなるべく安くする方法


保険が適用されないAGA治療費を少しでも抑えるためには、どんなクリニックで治療を受けるか、どんな薬を使って改善を試みるか検討する段階から意識しておくことが大切です。
薄毛に気付いたら早めに治療をはじめる
虫歯と同じで、薄毛治療も症状が軽い早期の段階から対策を始めるほど、短期間で結果が出やすくなります。
治療費が高額になる理由は、長期的に負担が続くからです。
少しでも頭皮や頭髪の状態に気になるところがあったら、まず医療機関に確認してもらいましょう。
早めに適切な治療を始めれば、結果的にかかる治療費を抑えられます。
効果が出たら減薬や薬の種類を変更する
AGA治療薬は1か月ごとの処方になることがほとんどで、定期的に様子を見ながら治療法を変えていきます。
強い薬を使っていて効果が表れたら弱いものに変えてもらったり、服用している薬の量を減らすなどして、症状に合った治療を進めていくのがおすすめです。
医師と相談する際にも、積極的に治療プランについて確認を取っていきましょう。



また、低出力レーザー治療を用いれば、長期的に費用を抑えて治療することが可能です。
ジェネリック医薬品を利用する
AGA治療でよく用いられるフィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルには安価で手に入るジェネリック医薬品があるため、少しでも費用を抑えたいかたにおすすめです。
コスト自体を下げられますし、効果についても違いはありません。
ただし、ジェネリック医薬品を取り扱っているクリニックでなければ選べませんので、事前に調べておくことが大切です。
オンライン診療可能なクリニックを選ぶ
オンライン診療を受け付けているクリニックなら、通院の手間も交通費も節約することができます。
処方された薬は宅配での受け取りになり、手数料や送料がかかった場合でもトータルで見ればかなり安上がりです。
加えて、自宅でスマホやパソコンを使って手軽に診察を受けられるので、誰にも知られず治療を進められるメリットがあります。
沖縄でAGA治療ができるクリニックを探している方も、オンライン治療はおすすめです。
気になる前に予防プランをはじめる
目立った症状が表れていない段階で薄毛対策を始めておけば、高額な治療を必要とする状態になる前に予防できます。
予防プランはサプリメントや育毛剤で体の内外から栄養を補給したり、生活習慣や頭皮環境を改善することで薄毛対策できるのが特徴です。
本格的な薄毛治療プランと比較しても安価な設定ですので、気軽に始められます。
AGA治療に関するよくある質問


AGAについて、まだまだわからないことが多いというかたに、よく聞かれる質問と回答を紹介していきます。
疑問を解消し、納得した上で治療を続けていくことが薄毛改善の鍵です。
AGAのセルフチェック診断


AGAが発症すると、わかりやすく抜け毛の本数が増えます。
ヘアサイクルが乱れて成長期が短くなり、生え変わりが間に合わず髪全体の本数が少なくなるのです。
また、栄養が行き届かないため髪が痩せ細り、コシもなくなります。
特に、AGA特有の症状である生え際の後退や、頭頂部の頭皮が目立ってきたら要注意です。
さらに、遺伝による影響もあり、母方の祖父が薄毛だった場合には7割以上、曽祖父が薄毛なら9割以上の確率で薄毛になるとされています。
リスクについても意識しておくといいでしょう。
AGA治療の保険適用についてまとめ
AGA治療は保険適用外の自由診療となるため、治療費は全額自己負担となります。
一般的な治療費は、維持・予防目的で月3,000円から10,000円程度、発毛・増毛を目指す場合は月8,000円から30,000円程度かかります。
ただし、早期発見・早期治療や、ジェネリック医薬品の活用、オンライン診療の利用など工夫次第で費用を抑えることが可能です。



また、クリニックによって治療費が異なるため、事前に複数の医療機関を比較検討することをおすすめします。
AGAは進行性の症状であり、治療を中断すると症状が再び進行する可能性が高いため、自身の予算に合った継続可能な治療プランを選択することが重要です。
薄毛が気になり始めたら、まずは医師の診断を受けることから始めましょう。









