MENU

福州園

那覇空港から車で10分、ゆいレール県庁駅前より徒歩10分。

空港まで続く「うみそらトンネル」と幹線道路に隣接しつつ、古くからある住宅地が趣あるエリア「那覇市久米(くめ)」。そんな静かな郊外にひっそりと、でもしっかりとした存在感でその施設はあります。

施設の名は「福州園(ふくしゅうえん)」。立派な門構えと高い塀に囲まれた外観の様式からは、同じアジアを起源としながらも、沖縄とは異なる歴史を歩んできた風合いがあり、同時にどこかノスタルジックな感覚を抱く雰囲気があります。

それもそのはず。「福州園」は那覇市と中国福建省福州市の、友好都市締結10周年の記念事業で建設された、中国様式の庭園なのです。

沖縄の歴史と深く紐づく中国との文化交流と、約600年前に中国から移り住んだ職能集団が定住して、その拠点となったクニンダ(久米)の地域。

「福州園」はその歴史を具現化するシンボルとして、訪れる人々をはるか遠く中国福建省の原風景へと誘う、特別な場所なのです。

\ おすすめプラン紹介 /

目次

1.福州地方を忠実に再現した中国式庭園

福州園|大門

「福州園」は面積8,500平方メートルの広大な敷地内に、四季を象徴する「明・穏・華」のテーマで区分された福州の原風景が庭園として配され、それらが1つの周遊路で結ばれて散策できる造りとなっています。

入り口には赤提灯と福の文字、2体の石像がお出迎え。

福州園|タッチパネル式のガイド案内

 園内には3カ所にタッチパネル式のガイド案内が設置されています。

自動販売機や休憩所、喫煙所も設けており、園内は団体客やお子様連れでもゆっくりと景色を楽しむ事ができます。

福州園|東冶堂(とうやどう)
福州園|東冶堂(とうやどう)の龍柱

福州園の代表的な建築物の「東冶堂(とうやどう)」。

龍柱を擁した中国福州地方の建築物で、現地の景色を忠実に再現しています。

園内の建築物は全て福州市の資材で木造されており、工事の基本設計から加工まで全てを、福州市の技術者が指導を行い建設したとの事。

福州園|烏塔(うとう)

東冶堂(とうやどう)を正面に、右側に聳え立つのが「烏塔(うとう)」。

福州園|白塔(はくとう)

 左側が「白塔(はくとう)」。塔内から天井を見上げると、まるで万華鏡を覗いた様な美しく煌びやかな感覚を体験できます。

東冶堂(とうやどう)を挟む形で佇む双塔、白塔(はくとう)と烏塔(うとう)は存在感抜群。御影石で造られた塔は福州の双塔の縮図であり、造形も細部に渡り再現されています。

福州園|冶山(やざん)

福州市の名勝として有名な「冶山(やざん)」は園内でもダイナミックな景観!

四季折々を表現する景観の秋冬、水景を表しています。

福州園|冶亭(やてい)

冶山の頂上にたつ「冶亭(やてい)」。

見下ろす景色はとても絶景で那覇市内を360度見渡せます。

ビルが立ち並ぶ那覇市内の中心と思えない程、自然を感じる事ができます。

登山の際には注意が必要ですよ(笑)

2.美しい風景に季節を感じさせる樹木や草花

福州園|庭園

 福州園の魅力は現地を再現した建造物だけには留まりません。

四季折々を表現する風景は、小川の渓流と静かな池からなり、豊かな自然や流水、はらりと舞い落ちる花びら一つ一つに至るまで福州市を表現しています。

福州園|翡翠葛(ヒスイカズラ)

 絶滅危惧種の「翡翠葛(ヒスイカズラ)」は何とも言えない妖艶な雰囲気を醸し出します。

IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストにも登録されている、とても希少な植物です。

園内には様々な草木や花が青々と茂り、静かでもあり奥ゆかしく上品な雰囲気を演出します。

福州園|橋の彫刻「七福神」
福州園|橋の彫刻「山羊」

橋の彫刻には日本で言う「七福神」や「十二支」などの彫刻も散りばめられています。

福州市の十二支は羊が“山羊”になっています。面白いですよね〜。

余談ですが園内には梅の木があり、沖縄気象台が観測する「梅の開花日」は、福州園の梅の木を指標にして発表しているそうです。これまた面白いですね!

3.歴史文化に触れてみて

福州園|クニンダテラス

福州市と那覇市の友好関係には古い歴史が存在します。

かつて琉球王国として独立国だった沖縄は、中国や東南アジア各国と外交関係を結び、14〜16世紀には「大交易時代」と呼ばれる黄金期を築きました。

その琉球の外交や交易を支えたのが、中国福建省から移り住み、ここ福州園も位置する那覇市久米(くめ)に住んでいた「久米村人(クニンダンチュ」でした。

福州園|クニンダテラスの展示

福州園に隣接する「クニンダテラス」は、かつての琉球王国や福州市との関係、久米村の歴史文化に触れる事ができる展示室となっており、福州園を更に楽しむ為の情報が詰まっています。

クニンダテラスの名前の由来、皆さんもうお解りですね?

福州園|クニンダテラスの内観
福州園|クニンダテラスの常設展示

タッチパネルで歴史が学べ、展示されている模型や館内の「歴史すごろく」や「かるた」で楽しく遊ぶ事もできます。

久米村は琉球を代表する多くの偉人が生まれており、外交だけでなく教育や治療技術などにより琉球王国を支えました。久米村の子孫達は、先人達の教えを引継ぎ、今でも歴史と文化を大切にし後世に伝承しようとしているのです。

祖先が築いた歴史が、福州市との友好関係を強固たるものにしたのですね。

福州園|欄干と提灯

ゆかりの地に友好の絆として建設された「福州園」。

現在は沖縄市民の憩いの場として、観光客の歴史文化に触れる貴重なスポットとして親しまれています。是非訪れてみてはいかがでしょうか?

Photo&text:松本 圭樹

(取材:2020年3月)

\ おすすめプラン紹介 /

住所: 那覇市久米2-29-19

電話番号: 098-869-5384

料金目安: 個人:大人200円 小人(中学生以下)100円 団体:大人160円 小人(中学生以下)80円※団体は20名様以上、小学生未満は入場無料

営業時間: 9:00〜18:00

定休日: 水曜日(水曜日が休日の際は翌日)

駐車場: なし(福州園向かい奥の有料駐車場をご利用下さい)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次
閉じる