1.沖縄有数の景勝地であり、豪快で男性的な絶景が広がる
沖縄本島中部の読谷村にあり、東シナ海に突き出しているのが残波岬(ざんぱみさき)です。
高さ30mほどの断崖絶壁が約2kmに渡って続き、万座毛(まんざもう)と並ぶ沖縄の代表的な景勝地です。
沖縄の海岸の風景といえば、白砂のビーチに透明度の高い波がやさしく打ち寄せるイメージですが、残波岬では、ゴツゴツとした岩場に波が激しくぶつかり、白いしぶきとなって散っていくという、非常に豪快で男性的な光景が広がります。
そのなかにたたずむ白亜の灯台も美しい風景に一役買っています。
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2.灯台の上から東シナ海の絶景を見晴らすことができる

残波岬灯台は内部の階段を昇って上まで行くことができます。
そこからは残波岬の全貌が見晴らせるため、まず灯台に昇ってみるのがおすすめです。

この灯台は地上から灯火(光る部分)まで約28mあります。
この高さからだと海を見おろす形になります。
紺碧の東シナ海、複雑な形状の岩、そこに打ち寄せる波とその勇壮な音が眼下に広がり、感動すら覚えます。
また、水平線にまで見わたせ、晴れた日にはそこに浮かぶ慶良間(けらま)諸島の島影を見ることもできます。

上から見ているだけではなかなかわかりませんが、残波岬周辺の海底には今も多くのサンゴ礁が残り、そこを住みかにする生き物たちによって豊かな生態系が形作られているそうです。
これは断崖絶壁の岩場が広がっていることにより、人が入り込んだり人工物が構築されたりするのを拒絶しているためで、つまり手つかずの自然があるといっていいでしょう。
観光客であふれるビーチと違い、貴重な自然遺産が残っているという点でも価値のあるスポットなのです。
こうしたことも胸に刻みつつ、残波岬を巡ってみれば、さらに大きな感動を味わうことができそうです。

少し足場は悪いですが、魚が豊富なため、このあたりは釣りをする人も見られます。

灯台には資料館もあり、灯台の仕組みや役割、歴史なども学ぶことができます。
岬の観光と合わせて一石二鳥といえるかもしれません。
3.遊歩道が整備された公園内を散策して断崖絶壁の眺めをじっくり堪能
灯台とその周辺を見て帰ってしまう観光客の方も多いようですが、それはもったいないかもしれません。
というのも、灯台の東側には公園が広がっており、遊歩道も整備されていて、潮風を感じながら散策すればさらなる絶景が楽しめるからです。
こちらにも足を延ばしてみるのがおすすめです。

遊歩道はほぼ平坦で歩きやすくなっており、海や岩場側には柵が設置され、子供連れでも安心して散策できるようになっています。

遊歩道を歩いていくと地元読谷村の豪族だった泰期(たいき)の像があります。
泰期は今から650年くらい前の14世紀の人で、当時の中山王「察度(さっと)」の命により、初めての進貢使(しんこうし=貢ぎ物を持って行って外交関係を築く使者)として中国に派遣されました。
当時、船で中国に渡ることはほとんど死を意味するほど危険な旅とされており、進貢使として5回も往復した泰期は、まさに英雄としてあがめられました。
また進貢使は帰りに、当時アジアの先進国だった中国の産物を持ち帰るという、貿易事業者としての役割も担って成功したため、地元では商売の神様といわれます。
進貢使はその後約500年も続き、産物だけでなく文化も伝え、琉球文化発展の土台となりました。
その先掛けとなった泰期は今も尊敬を集めています。
ちなみに銅像の右手は、中国福建省の方向を指しています。

灯台から泰期の銅像へ、そしてさらに東へ歩いても、直立した岩壁がつづきます。
あまりに自然のままなので、このあたりでは釣りをする人の姿も見られません。
その向こうには本島北部の景色も見られます。
4.遊具があったりヤギが飼われていたりと、子供も楽しめるようになっている

残波岬いこいの広場にある残波大獅子は、高さが9m近くあるという巨大シーサーで、中国と交流した文化を後世に伝えるために制作されたそうです。
そのため顔は中国の方向を向いています。
雄々しい表情はダイナミックで迫力満点なので、撮影スポットとしても最適。
ちなみにそばにある石碑には「夢を語れ!ロマンを抱け!人々のしあわせ・平和のために!!」と刻まれています。

いこいの広場には多彩な遊具が備わっています。
残波岬公園はお子様も楽しめるので、ピクニック気分で訪れてみるのもいいでしょう。

ヤギが飼われています。
とても人なつっこいので、餌やりなどをしても楽しめます。

進貢使が乗った進貢船をイメージした建物も目を引きます。
上部は展望台になっています。

いこいの広場内には飲食店もあり、軽食や休憩にも便利です。

駐車場からほど近い場所に移動パーラーがあり、ここでも軽食やドリンクが買えます。
バスを利用しているので、子どもたちも大喜び。

残波岬は、沖縄本島でもっとも遅く太陽が沈む場所といわれ、夕景スポットとしても知られています。
東シナ海の水平線に沈む夕陽は荘厳で、見る人の心を揺さぶります。
text: 吉田 直人
Photo:根原 奉也
(取材:2020年3月)
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住所: 読谷村宇座1861
電話番号: 098-958-6494(読谷村観光協会)
駐車場: あり
その他: トイレあり
店舗詳細URL: http://www.yomitan-kankou.jp/index.jsp