沖縄本島北部と言えば、空気が澄んだ気持ちの良い大自然「ヤンバル」で知られています!そんなヤンバルの美しい海と樹々に囲まれた道の駅が、沖縄本島北部「名護」の入り口にあります。
那覇空港から沖縄自動車道を車で約1時間半、許田(きょだ)ICを降りてすぐにあるのが、沖縄県内第一号の「道の駅 許田」です。
訪れる大勢の観光客で賑わいを見せる「道の駅許田」は、平成31年国土交通省より地域活性化の重要拠点とし、県内で2カ所目の「重点道の駅」に選定。現在では地元から沖縄全体、そして全国へ沖縄の魅力を発信しています。
そんな、今では年間220万人の来場者数を誇る「道の駅許田」 。観光客から大人気のポイントをご紹介します。
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1.「道の駅許田」の成り立ちと意外なエピソード

「道の駅許田」の誕生は今から20年以上前にさかのぼります。
昭和62年(1987年)の10月、名護市商工会が沖縄県の車社会に対応した、やんばる観光事業促進の為のロードパーク設置と、地域物産販売や休憩施設の必要性を唱えた事が始まりです。
それから7年後の平成6年(1994年)の4月に、道の駅としてスタートした許田。現在では大勢の観光客で賑うその姿も、スタート当初はたくさんの苦労があったとの事。
今でこそ道の駅の存在は当たり前ですが、当時はどんな様子だったのでしょうか?

「道の駅許田は当初“やんばる物産センター”としてスタートしました。
施設の目的は、沖縄自動車道の入り口であり出口でもあるので、訪れるお客さんを休憩させて、北部の旅を満喫して頂こうというものでした。」
そう応えるのは、やんばる物産株式会社で、代表取締役社長を務める城間秀幸さん。
「道の駅許田」は当初、物産センターとしてスタートした施設に、後から「お客さんを呼び込むには、道の駅としての機能を取り入れたほうが良いのでは?」との方針転換から、市にも協力を仰ぎ、道の駅事業に切り替えられたという経緯があるそうです。
平成6年(1994年)に道の駅としてスタートさせた当時は、まだ道の駅という存在自体が県内で知られていないこともあり、客足は全然だったとのこと。それが平成7年に道路情報ターミナルがオープンし、平成12年に施設がテナント化していくなかで、1つのきっかけになる出来事がありました。それが「高速チケット」の販売でした。

「沖縄自動車道の10%割引チケットを設置したんですよ、すると徐々にお客さんが増えていくんですけど、困った事にそのチケットだけ買い求めて、肝心の商品は買わないっていう現象がおきまして…。道の駅とし一発目でしたからね。何をして良いのかが解らなくて。ただ高速チケットは飛ぶ様に売れるんですよ、行列ができる程。だったら色々なチケット置こうよ〜となり、それなら宝くじも売ろうよ〜という流れになって。」と笑いながら話してくれる城間さん。
そんな経緯もあって設置された、今では名物にすらなっている「宝くじ売り場」は、その後3年連続で“億”の当選者が出た事から、週刊誌にも紹介される大注目の販売所になりました。
「随分と人が集まる様になりましたね。連続で“億”の宝くじが当たったもんですから、皆さんここで宝くじを買う様になりましたね。この流れを継続させる為に、次はパン屋さんで「当選パン」って商品を作りました。宣伝効果もありましたよ。」

それ以降も集客を目的とした様々な取り組みを行い、平成24年(2012年)の7月には創立20周年も無事迎える事ができ、現在に至っています。様々な取り組みの中で、苦労したエピソードを、城間さんがはなしてくれました。
「やはり売る努力ですね。どんなに農家さんが大量に持ってきても、私達が売る努力をしない限り全てが動かないんですね。
売れないと農家さんにも責められますし。なのでパインやマンゴーといった主力の商品以外の果物をどう売ったらいいか?では全てが入ったフルーツセットを作ってみよう、とか。購入したお客さんが果物の食べ方が解らない時どうしたらいいか?それではレシピを付けてみよう、とかね。通販で全国発送にも挑戦しました。
発送したお客さんには必ず名刺を渡していましたね〜。嬉しいですよ、今だに私宛に直接電話が来ますからね。お客さんの喜ぶ顔を見たい、農家さんの喜ぶ顔が見たい、ただそれだけで必死に売る努力をしましたね。」

平成28年に代表取締役社長に就任後、今日まで「道の駅許田」を牽引している城間さん。入社から現在まで変わらないそのひた向きさが、年間220万人もお客が訪れる現在の「道の駅許田」の姿を作り上げているのです。
2.「道の駅許田」自慢のグルメとプライベートブランド商品

「道の駅許田」と言えば沖縄のソウルフードがてんこ盛り♪
駐車場を降りてすぐ見えてくるのは、出来立てホクホク昔ながらのふるさとの味など、豊富な種類を堪能できるパーラーです。

揚げたての「沖縄天ぷら」を一個60円と激安で販売する天ぷら屋さん。沖縄の天ぷらは衣がとても厚く具材がジューシーなのが特徴的で、観光客にも人気のフードです。売り切れ次第終了とありますが、ほとんどの天ぷらが即売り切れてしまうそうです。
ウチナーンチュも大好きな「魚天ぷら」に「いか天ぷら」や、沖縄そばには欠かせない紅ショウガを揚げた「紅ショウガ天ぷら」等美味しいがズラリ♪中でもダントツ人気の「もずく天ぷら」は、沖縄最北端の島「伊平屋(いへや)島」の新鮮なもずくを使用しており、フワフワ衣とまろやかな味わいがマッチしてクセになる味わいです。

隣のパーラーではフィッシュバーガーやチキンバーガー、チーズバーガーが大人気♪土日限定のジャンボバーガーは話題性のある見逃せない商品です!

お弁当にお惣菜、黒糖を使用したぜんざいやマンゴーやバニラのソフトクリームなど、パーラーだけでもメニューは充実!小腹が空いた時に手軽に味わえたり、旅の疲れの癒しにもってこいです。

パーラーを抜け店内へ進むと、沖縄の代表的なソウルフード「タコライス」や「沖縄そば」がお出迎え。手間暇かけて筋をとった柔らか〜いステーキが味わえる鉄板焼きステーキは肉女子必見♪ライスセットとパンセットが選べて、ボリューミーなのにリーズナブル!


三枚肉が乗った「ソーキそば」は、オーダーから提供までスピーディーなので、アツアツツルシコの美味しいそばが味わえます。
タコスやタコライスや揚げたてサクサクの白身フライ定食など、その時食べたいフードを出来立てで楽しめるので、旅のついでにどころか道の駅許田をメインで訪れるお客様もいるそうです。

フードコートはとても広く足を伸ばしゆったりくつろげるので、お食事しながら旅の疲れを癒せます。やんばるにお越しの際は、ぜひ許田グルメを堪能して下さいね♪

そして許田グルメを堪能した後は、やんばるの農家さんが丹精込めて育てた野菜や果物、許田でしか手に入らない商品などを見て周り、ご家族や友人へのお土産を購入するのがオススメです♪
いつもお客様で賑う農産物コーナーでは、農家直送のゴーヤーや島らっきょう、へちまなどの新鮮野菜からパインやマンゴーといった南国のフルーツが盛り沢山♪

全国発送も行っており、購入した商品はその場ですぐ送ることができるので、沖縄の大自然の恵みを受けた味を県外やご自宅で味わうことができます。中には珍しい果物もたくさんあり見ててとっても面白い♪

アテモヤって皆さんご存知ですか?森のミルクと呼ばれる果物で、味はとっても甘くて美味しいのにカロリーは驚きの0なんですって!
カニステルは別名エッグフルーツと呼ばれており、味はゆで卵の黄卵に近いんだとか!?
珍しい野菜や初めての果物は調理法や食べ頃が気になりますが、安心して下さい。道の駅許田の農産物には丁寧なトリセツが付いてるので、とってもわかりやすいのです♪

道の駅許田のパン屋さん「ラ・ガール」では焼き立てパンのいい香りがフワ〜っと漂います。オリジナルシフォンケーキ「58ロール」に「道の駅ロール」や、恋愛が成就すると噂の県産紅芋をふんだんに使用した「恋紅メロンパン」は大人気!

人気No.1の「塩パン」は表面はカリッと焼き上がっており、一口食べると口の中全体に柔らかなバターの風味が広がります。しっかりとした歯応えが特徴的で、コーヒーやココア、紅茶などと相性抜群!表面にまぶした屋我地島(やがじじま)の塩が程よいアクセントで◎。

道の駅許田ではプライベートブランド商品も取り扱っています。

うちなーんちゅ大好き「コーレーグース」。島唐辛子を泡盛で漬け込んでおり沖縄そばによく合います。

ビールやお酒のおつまみにピッタリ、黒糖味やわさび味など様々な味が楽しめるお菓子「美ら豆MIX」。

子供から大人までお口で沖縄を楽しめる飴玉「シークヮーサードロップ」と、どれも沖縄らしさが溢れる商品で、旅の思い出やお土産に、真心こもったオススメの商品が充実しています。
3.お客様、そして地元や農家全ての人に感謝の「ちむぐくる」を

沖縄の方言「めんそ〜れ」には、歓迎の気持ちを込めた「いらっしゃいませ」と言う意味があります。
冒頭の城間社長のお話にもあった通り「道の駅許田」は、観光客の皆様に沖縄本島の旅を満喫して頂くためにあります。そのため従業員の皆さんはお客様一人一人に、おもてなしの心で対応しています。
それは訪れる人々に「旅をより素晴く、満足して頂く」ためであり、その真心こそが沖縄の「ちむぐくる」なのです。
「ちむぐくる」とは沖縄の方言で「思いやり」や「優しさ」、「助け合いの精神」を表します。
「道の駅許田」では、“お客様を大切にする”と言う事を“地元の人や従業員、農家を大切にする事”と同じだと考え、商品開発から接客応対、イベント行事まで、全てを「ちむぐくる」をもって行います。
「ひとりが顧客を100名つくる」それが社長の城間さんが従業員と共に目指す目標であり、「ちむぐくる」そのものであります。

「農家が一生懸命作るから責任持って売る、一生懸命やる!それがいつか自分にかえってくる!持ちつ持たれつです。」
年間220万人も訪れる理由、それはきっと「めんそ〜れ」と「ちむぐくる」のハイブリッド精神から生まれる、おもてなしの心なのです。
Photo&text:松本 圭樹
(取材:2020年4月)
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