MENU

我部祖河食堂

現在沖縄県内に7店舗構える「我部祖河(がぶそか)食堂」。名護の本店を中心に、北部から南部まで各エリアに店舗がある人気店です。

実はここ、今や当たり前のように沖縄のソウルフードとして知られる「ソーキそば」発祥の店。つまり今、沖縄各所で当たり前のように美味しいソーキそばが食べられるのは、当時、我部祖河食堂の会長・金城 源治(きんじょう げんじ)さんがレシピを出し惜しみしなかったから、ということ。

今回は、その歴史的な開発秘話と美味しさの秘密に迫ります!

目次

1.「もったいない」から生まれた奇跡の「ソーキそば」

我部祖河食堂|本店を経営するご家族

[現在本店はご家族で経営されています]

沖縄の地名や名字には、本土にはないような独特の読み方をするものが多くあります。「我部祖河」という漢字もその一つ。読み方を知っていると、ついつい『これなんて読むと思う?』とクイズを出してしまいたくなるような、ちょっとした「沖縄の漢字が読めます自慢」をしたくなっちゃいますね。今回は、「我部祖河(がぶそか)食堂 本店」をもっとたくさんの人に知って欲しい(もとい、自慢げに話したい)と思えるような魅力をご紹介します。

我部祖河食堂|会長の金城

[我部祖河食堂会長・金城 源治さん]

話は50年以上前の1966年。沖縄県がまだアメリカの統治時代の頃です。

当時、豚のソーキはとても高く、高級品でした。そんな中、鮮魚・精肉店を営んでいた金城さんは、売れ残った高級ソーキがもったいなくて、どうにか消費できないかと考えていました。

我部祖河食堂|1966年、鮮魚・精肉店だった頃の写真

[提供写真:当時の鮮魚・精肉店]

そして半ば思い付きで、手近にあったソーキブニ(豚のあばら骨)を長時間煮込み、味付けをして沖縄そばの上にのせてみたのだそう。その商品を常連客に提供してみると、誰しもが口をそろえて『これは絶対に商品にした方がいいよ』と太鼓判を押したのだといいます。

そして精肉店の隣で沖縄そば屋を営み、ソーキそばを販売するとあれよあれよと大反響!瞬く間に人気商品となったそうです。

我部祖河食堂|創業当初の本店

[提供写真:創業当初の現・本店]

ソーキそば誕生は今から50年以上前の頃なのですが、当時の日本テレビで我部祖河食堂が紹介されたそう。それにより、なんと東京からお客さんが殺到したそうで。当時は旅行が今ほど気軽なものではなかったはず。飛行機もきっと高かったでしょう。

けれど、この一杯を味わうために多くの人が足を運んだというから驚きです。

我部祖河食堂|ソーキそば考案者の金城

ちなみに当時、沖縄では日本テレビの放送を見る手段がなかったため、お客のほとんどは東京の人。地元客で溢れかえる今となっては考えられない話ですが、地元のお客は少数だったのだとか。今でも何十年越しに東京から、ソーキそばと金城さんに会いに訪れる人も多いのだそうですよ。

2.金城さんがつくる、愛情詰まった「ソーキそば」は本店でしか食べられない!

我部祖河食堂|ソーキそば(大):800円

[ソーキそば(大):800円]

なんと今年(2020年)91歳を迎える金城さん。複数店舗ある我部祖河食堂ですが、今も本店に行けば、金城さん手作りの元祖ソーキそばを食べることができるんです!

発祥から何十年も作り続ける金城さんのソーキそば、それだけでなんだか感慨深いですね。早速いただいてみましょう。

我部祖河食堂|ボリュームたっぷりのソーキ肉

シンプルなソーキそばながら、やはり一番に目がいくのは元祖の貫禄を感じさせるソーキ。分厚くてしっかり味がしみ込んだ大きめのソーキが、そばの上に4枚ものっています。

開発当初から、ほとんど基本のレシピは変わっていないという金城さん。秘伝の甘たれでじっくり長時間煮込んだソーキは、じゅーしー(沖縄風炊き込みご飯)に乗せて食べても美味しそう。とろとろなのに、お肉の厚みを感じられるしっかりしたソーキに幸せいっぱい!

我部祖河食堂|もちもちの自家製麺

麺は本店すぐ隣にある製麺所で作られた、出来立てもちもちの自家製麺。大量の豚骨をブレンドしたオリジナルの濃厚スープと太めの自家製麺がしっかりと絡み、胃袋を満たしていきます。

麺類だと思えないくらいボリュームにもサービス精神が豊富なので、小食の方は小サイズを注文するのが良いかもしれません。

また、ソーキそばの他にも野菜そばや焼きめし、沖縄定番のみそ汁定食や中味汁などもあるので、グループで行ってみんなで色々なメニューをシェアするのもおすすめですよ。

我部祖河食堂|メニュー

金城さんのこだわりは、元精肉店店主として『肉の旨みを知り尽くしているからこそ、素材の美味しさを引きたてる味付けしかしない』こと。

シンプルながらも手間暇かけた一杯は、かつて『もったいない』という気持ちから商品を開発した、金城さんの愛情も染み染みなのだと感じました。

日当たりのいい店内でのんびりと、愛情こもった美味しいソーキそばを味わってみてくださいね。

我部祖河食堂|広い座敷の店舗

Photo&text:三好 優実

(取材:2020年7月)

住所: 沖縄県名護市我部祖河177

電話番号: 0980-52-2888

営業時間: 10時~18時

定休日: 月曜日(祝日の場合は翌日繰越)

店舗詳細URL: http://www.gabusokasoba.com/
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次
閉じる