あっぱりしゃん|那覇市・沖縄

那覇市の久茂地川沿いに、まるで隠れ家のようにたたずむ居酒屋さん。

ちなみにあっぱりしゃんとは八重山地方の言葉で「美しい」とか「きれい」といった意味です。

本島でいう「ちゅらさん」と同じと思っていいでしょう。

ロケーション的には国際通りと国道58号線の中間ぐらいにあり、大きな通りからは少し離れているし、建物も地味なので目立ちません。

のれんのおかげでやっとお店の入口がわかるくらいです。

とはいえ、ゆいレールの県庁前駅からは歩いて4、5分なので便利な場所にあるといっていいでしょう。

のれんのかかった間口の狭い入口から2階に上がり、ドアを開けると、外観からはちょっと想像できないほどの広い空間があって、そのギャップにびっくり。

木を多用した和風のインテリアで、ゆったりと落ち着いて過ごせそうな雰囲気です。

カウンターがあり、畳敷きの座敷席があり、さらに個室もあるので、ちょっとした団体のパーティにも対応できそうです。

くり返しになりますが、1階のエントランスからはイメージしにくいほどのゆったりした、居心地の良さそうな店内です。

目次

1.八重山直送の食材をふんだんに使った料理が絶品

このお店のオーナーは、写真左から2番目の長濱 健佳さんです。

長濱さんは石垣島生まれ。

実家は地元でも人気の水産物加工会社だったそうです。

その血筋もあってか、魚介類や海藻類など海の幸、さらに山の幸といった石垣島および八重山のおいしいものをふんだんに使った料理を、数多く提供しています。

そのひとつがアーサの天ぷら。

一般にアオサと呼ばれる海藻を揚げたものです。

ちなみにこの日は八重山・黒島産のアーサを使用していました。

ほんのりとした磯の香り、適度な歯応え、そして絶妙な塩加減はあまりにおいしく、ビールや泡盛が進みすぎて困りそうです。

こちらはイカスミ焼きそばで、麺は卵入りの八重山そばを使っています。

この麺は焼きそばにも適しており、さらに味と香りが濃厚なイカスミともよくからんで大変美味。クセになりそうです。

さらにこの麺を揚げたそばチップスも提供しており、香ばしさも相まって、お客さんに大変好評だといいます。

こちらはピパーチの葉っぱが入ったジューシー。

ピパーチは八重山で愛されるスパイスで、島こしょうとも呼ばれます。

シナモンにも通じるような甘い香りが食欲をそそります。

その葉っぱ入りのジューシーは、ダシの深い味わいとピパーチの馥郁とした香りが見事に調和して、ちょっと感動的なほどでした。

料理は全般的に素材の良さを活かす工夫がされているように感じますが、長濱さんによると、年配のお客さんも多いので塩分を控えめにして、塩辛くならないように気を使っているそうです。

もちろん、ほかにも一般的な沖縄料理を味わうことができます。

八重泉や請福といった八重山の泡盛をはじめ、本島や離島の泡盛・焼酎など、多彩なお酒をそろえています。

2.唄者のオーナーによるライブが大好評

このように水産加工会社の息子が経営する、石垣を中心とする八重山地方の食材を使ったおいしい料理を提供するお店というわけですが、実はオーナーの長濱さん、基本料理は担当しません。

ではなにを担当するかというと、主にライブです。

実は長濱さん、沖縄県立芸術大学で音楽を学んだ唄者なのです。

CDも出しており、県外でもライブをやっているという、いわばプロ。

そのプロの唄者が夜な夜な店でライブを行い、八重山や本島の曲を三線の生演奏とともに聞かせてくれるというわけです。

長濱さんによれば、お客さんのほとんどはこのライブが目当てだとか。

お客さんがネットで「島唄」と検索したり、タクシーの運転手さんが案内したり、ホテルが紹介してくれたりして、いつの間にかお客さんが集まり、しかも多くがリピーターになっているといいます。

また、お店は長濱さんが30歳の時、2004年にオープンしたそうです。

つまり2024年で丸20年になるわけですが、初めて来たとき赤ちゃんだった子がもうすぐ20歳という、リピーター家族もいます。

ファミリーで来るようなアットホームな雰囲気の居酒屋ですが、それを演出しているのは、やはり長濱さんのライブでしょう。

歌に聴き惚れ、みんなでカチャーシーを踊れば、お客さん同士も仲良くなれます。

楽しいライブとおいしい料理、そしてお客さん同士のふれあいが、この店の魅力なのでしょう。

3.芸大の友人たちがアーティスティックな空間づくりに貢献

ところでオーナーの長濱さんが沖縄県立芸大の出身であることは先に述べました。

お店には絵が飾られていたり、美しい器が使われていたりしますが、これらは大学の友人たちが描いたり作ったりしたものも多いそうです。

壁に掛けられた大きな抽象画も芸大の友人が描いてくれたものだそうで、アーティスティックな空間づくりに大変役立っているように思えます。

最後に長濱さんは、あっぱりしゃんで食事やライブを楽しんだら、ぜひ石垣島も訪れてほしいといっていました。

お客さんと島を結ぶ役割を果たしているお店でもあるようです。

Text:吉田 直人

Photo:根原 奉也

(取材:2023年8月)

住所: 沖縄県那覇市久茂地3-23-8 2F

電話番号: 098-861-1112

料金目安: アーサの天ぷら680円(税込)/ピパーチの葉っぱが入ったジューシー580円(同)/八重山そばのイカスミ焼きそば800円(同)

営業時間: 17:30~24:00(L.O.)

定休日: 日曜(連休の場合は日曜営業、月曜休)

駐車場: なし

座席: 約50席

喫煙: 個室のみ可

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