<掲載許可:南城市教育委員会>
標高180メートルの高台に築かれ、夏至の日の出にはその城門から朝日が差し込むことから、?天空の城?や?太陽の門?とも称される玉城城跡(たまぐすくじょうあと)。
琉球王国時代から続く聖地巡拝「東御廻り(あがりうまーい)」14番目の拝所として、今も多くの人が参拝に訪れる聖地で、地元では『玉城グスク』の呼び名で親しまれる、沖縄最古のグスクのひとつです。
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1.王国時代から続く「東御廻り(あがりうまーい)」の聖地

本島南部の南城(なんじょう)市には、世界遺産の斎場御嶽(せーふぁうたき)や神の島と呼ばれる久高(くだか)島をはじめ、たくさんの聖地が点在します。
国指定史跡の「玉城城跡(たまぐすくじょうあと)」もそのひとつで、海の向こうのニライカナイから降り立った琉球開びゃくの創造神「アマミキヨ」によってつくられた『琉球開びゃく七御嶽』のひとつとされています。
また、琉球王国時代には、国王が国の安泰と豊作を祈願し、14の霊地を巡礼した「東御廻り(あがりうまーい)」14番目の聖地でもあります。

玉城城跡の入り口には案内板があります。
それによると玉城城跡は、「別名アマツヅ城とも称され、築城年代や歴代の城主についてはさだかでない。島尻郡誌では、アマミキヨが築いた城であるとの伝説があって、城主は、一の郭、二の郭、三の郭の三つの郭からなる階段状の山城で天然の要害の地に築かれている。城壁は一の郭のみよく原型をとどめていて、二の郭と三の郭の城壁は、戦後、米軍基地建設の骨材料として持ち去られ、現在根石がかろうじて残っているにすぎない。」とされています。

入り口付近には駐車スペースもあり、そこから城跡へのアプローチまでは、沖縄県花でもあるデイゴの木の生茂るトンネルが続きます。

城跡までは木造の階段が設置されており、景色を眺めながらの上り下りが楽しめます。
ですが急な傾斜もあるので、訪れる際は歩きやすいスニーカーなどの靴や服装がおすすめです。

階段の途中からふと城壁を見上げると、見事な琉球石灰岩の石積みに目を奪われます。
それに呼応するかのように、その下手には自然そのままの姿の岩肌。
ソテツや草木の緑がまぶしいほどです。
2.琉球石灰岩をくりぬいた美しい城門をくぐろう!

城壁の入り口では、自然岩をくりぬいた円形門に迎えられます。
?あがるい(東北東)?の方向に向けてつくられたこの本丸門は、海の彼方の理想郷ニライカナイに通じる門とされ、夏至の日の出の際には、太陽の光がまっすぐこの門穴から差し込み、神秘的な光景に包まれます。

本丸門の内側に立ち、石の天井に手をのばし、少しひんやりとする感触を味わっていると、ふと石に守られているような安らいだ心地になります。
3.太平洋や久高島、本島中南部を望む絶景パノラマ

標高約180メートル、天空に佇むかのような城跡からは、眼下にひろがる一大パノラマも見事です!
木々や芝生の緑と太平洋の青い海が織りなすコントラストに癒されます。

遠くにはうっすらと、神の島「久高島」の島影も望むことができます。

城郭内に入るといくつかの拝所があり、琉球王国時代には、国王自ら雨乞いの祈願をしたとされる「アマチジ御嶽」(神名:アガル御イベ、ツルベ御イベ)が祀られています。

玉城城跡は築城年代は不明ですが、石垣の積み方から約600年前のものと推定される沖縄屈指の古城です。
沖縄のグスク(城)は、城塞であると同時に、祈りの場の聖域であることが多く、玉城城跡もそのひとつとされます。

長い時間を経てなお、静寂さと共にそこかしこに色濃く映し出される、神聖さの?気配?や?面影?をぜひ感じてみてください。
Photo&text:鶴田尚子
(取材:2021年5月)
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住所: 沖縄県南城市玉城字玉城444
電話番号: 098-917-5374(南城市教育委員会文化課)
駐車場: あり

