土地ごとの文化や気候風土に触れながら、各地の郷土料理を味わうひとときは旅の醍醐味のひとつ。
立派な器で供される格式高い宮廷料理の店から、泡盛の杯を傾けながらゆったりと沖縄料理をつまめる居酒屋まで、沖縄でも郷土料理の楽しみ方はさまざまです。
今回はランチタイムでも気軽に本格的な沖縄の味が楽しめる「琉球料理 あかさたな」をご紹介しましょう。
1.牧志公設市場近くの昭和レトロ感ただよう、元祖地元グルメの沖縄料理店

琉球料理 あかさたなは、「沖縄の庶民の台所」としてローカルや観光客でつねに賑っている、那覇市・牧志公設市場(現在は建て替えのため仮設市場にて営業中)から徒歩数分の場所にあります。
創業は1997年。
昭和の喫茶店のような温かみがある店内に、どこか懐かしさを感じる方もいるのではないでしょうか。

カウンターには沖縄のヤチムン(陶器)、洋風のカップ&ソーサーなど、多彩な器がずらりと並ぶ一角があり、コーヒーをオーダーすると好きな器で入れてくれるそう。
お昼時や夕食時ともなれば、店内はいつも地元客から観光客まで多くのひとで混み合っています。
2.The 沖縄料理を好みでチョイス。リーズナブルな「おすすめ小鉢御膳」

この店の人気の理由はこちら!
1000円(税込/2019年11月現在)で数種類の沖縄料理が少しずつ味わえる「おすすめ小鉢御膳」です。
御膳は全部で9種類。
メニューごとに料理の内容はすべて違うので、(1)~(9)までの番号でオーダーしてくださいね。
写真は手前右から時計まわりに、「グルクン(タカサゴ)のから揚げ」「沖縄そば小」「ラフテー(豚の角煮)」「ジーマミー豆腐」がセットになったメニュー(1)番です。
沖縄そばひとつとっても、ひじきやニンジンが入ったかまぼこから手づくり。
この値段でこれだけの品数が味わえて、さらに料理も本格派だなんて、お得感ありまくりですよね。

沖縄の県魚グルクンは淡白な味わいなので、から揚げにして食べるのが一般的。
居酒屋などでもポピュラーな料理です。

ラフテーは豚バラ肉を柔らかく煮込んだ郷土料理。
サイドについている野菜の彩りもきれいで高級感があるひと皿です。

ピーナッツのしぼり汁を芋クズでかためて、ショウガと甘辛ダレでいただく自家製ジーマーミ豆腐も美味。
(1)番のセットは沖縄料理初心者にも親しみやすい人気No.1のメニューなのだそうです。
3.母娘2代でつなぐカラダにやさしい昔ながらの沖縄料理

お店を切り盛りしているのは2代目店主の根間さん。
「親しみやすい味から地元客の要望に添うめずらしい料理まで、うちの店で出しているのは『The 沖縄料理』。初代の母の味を今も受け継いでいるんですよ」とにっこり。

使用している食材は市場で仕入れるものがほとんど。
根間さんのお母さんは、市場で働く人々やこのエリアを訪れる人々に、沖縄らしくてカラダにやさしい料理を食べて欲しいと「あかさたな」を始めたそうです。
その土地の空気を感じながら、その土地の食材を、その土地の料理法でいただく経験はいい思い出にもなりそう。
沖縄料理入門編としても、マニアな沖縄料理に出会う場としてもおすすめの1軒。
市場散策がてら、ぜひ訪れてみてはいかがですか。
Photo&text:藤井 千加
(取材:2019年11月)
住所: 沖縄県那覇市松尾2-11-11
電話番号: 098-862-0129
料金目安: 1000円~
営業時間: 11:00~20:00(途中休憩の場合あり)
定休日: 水曜日
駐車場: なし
座席: テーブル28席
喫煙: 全席禁煙・屋外に喫煙所あり
その他: 年末年始・旧盆は営業、昼時は混み合うことが多いので時間に余裕を持って訪れるのがベター

