榮椿（えいちん）

「首里十二ヶ所巡り」にちなんで誕生した「首里十二支カステラ」は、古都の新しい銘菓として静かな人気を呼んでいます。

贈答用やおつかいものなど地元御用達として、また〝ここでしか手に入らない味〟として沖縄ツウの観光客のみなさんが、ひと口サイズのまあるいおいしさを求めて、今日も「榮椿（えいちん）」ののれんをくぐります。

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1.古都首里歩きのお供のかわいいおやつ

白地にきりりと「榮椿」の屋号が染め抜かれたのれんと、築70年以上の赤瓦の古民家の落ち着いた佇まいが、そのままこのお店のアイコンです。

店名の「榮椿」はこの家の持ち主でもあった店主の叔父・叔母夫妻の名前から一文字づつ取ったのだとか。

世界遺産の首里城からも歩いて10分ほど。

古都散策のお供のおやつやお土産に人気のかわいらしいお菓子をご紹介しましょう。

のれんをくぐると、小さなケースに並べられた小袋たちが鎮座。

どこかお寺の社務所のおみくじや御守り売り場のようでもあり、小袋の中身にちょっとワクワクしてきます。

「榮椿」の「首里十二支カステラ」は、「首里十二ヶ所巡り」にあやかり生まれたお菓子。

これは首里にある四ヶ所の寺院にまつられた十二支の守り本尊を巡拝し、日々の感謝と健康・開運を祈願する風習で、「榮椿」のコロンとまあるい小さなカステラも、食べる人の幸せや健康、平和を願いながら、ひとつひとつ丁寧に焼かれています。

店頭では、この「首里十二ヶ所巡り」にもぴったりの「御朱印帳と十二支焼菓子セット」（550円）も販売されています。

沖縄県産の月桃紙を使った御朱印帳と十二支焼印付きカステラがセットに。

古都首里の歴史や自然を感じながら、「榮椿」のおやつをお供にお散歩気分で巡るのもおすすめです。

2.全部食べつくしたい、バラエティに富んだ味わい

「榮椿」のカステラは、ひと口サイズのふんわりまあるい中に、こだわりの沖縄素材が詰まっています。

生地にもできるだけ安全でからだに優しい材料が使われており、プレーン味をはじめ、さまざまな沖縄フレーバーを楽しめます。

琉球伝統銘菓「冬瓜漬」入りのきな粉とシークヮーサー風味の「冬瓜漬レモン」は、沖縄県産100％のシークヮーサーパウダーで酸味を加えた冬瓜漬入りのカステラをレモンチョコでコーティング。見た目もさわやかです。

そのままはもちろん、冷蔵・冷凍でもおいしくいただけるのだそう。

そのほか定番の「冬瓜漬入りきな粉味」「紅芋」「粒黒糖」「チョコチップ」をはじめ、季節限定の味も折々に並びます。

やさしい口当たりのカステラから、小さな宝石のように大切に閉じ込められた島の味が、お口の中いっぱいにひろがります。

お値段も1袋（6個入）220円〜とリーズナブルなので、好きな味を食べ比べできるのもうれしいですね。

ソフトな口当たりのカステラと並んで、こちらの沖縄県産黒糖を使った「黒糖かりんとう」（1袋5個入180円）も人気です。

油で揚げずにじっくりオーブンで焼き上げているので、サクっと軽く、ヘルシーで香ばしい仕上がりです。

こちらは、3週間ほど日持ちもするため、お土産や差し入れとしても喜ばれているそうです。

3.お土産や、お取り寄せ・贈り物にも！

「榮椿」のお菓子は、贈り物やお土産にも最適なように箱入りもご用意。

保存料などの添加物を使っていないため、賞味期限は約5日ほどと短めですが、他では手に入らないここだけのお菓子とあって、お取り寄せや県外発送などのニーズも高まっています。（来店の際は要予約） 

4.テイクアウトにアイスやドリンクも！

おやつタイムにぜひいかが？こちらの夏季限定の冷たいスイーツ「バニラジェラートパフェ」（500円）もおすすめです。

ふわふわカステラとアイスのコンビネーションは子供も大人も大好きなどこかなつかしい味。

首里歩きの途中でクールダウンしたい人には、こちら「冬瓜蜜」（420円）のソーダ。

さっぱりとした甘さの冬瓜蜜と大宜味（おおぎみ）産シークヮーサーを使ったドリンクです。

年末年始や週末など期間限定でお目見えする「首里十二支カステラ（焼印付）」（400円）は、カステラひとつひとつに十二支の干支が刻印された、食べるのがうれしいようなもったいないような、ちょっぴりプレミアム感も楽しめるお菓子です。

学校帰りの子供や学生さんが立ち寄ったり、ご近所さんが内祝いやお返しのおつかいもので注文に来たり。

観光客の人がインスタ映えの外観で写真を撮っていたり。

世代を超えて愛される「榮椿」のお菓子は、ここでしか手に入らない小さな贅沢、新しい沖縄のスタンダートです。

Photo&text：鶴田尚子

（取材：2021年4月）

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