※2023年4月更新
那覇本店は移転いたしました。
沖縄県内にある店舗は北谷町にある美浜店のみとなります。
美浜店の店舗情報はこちら
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多くの人で賑わう、那覇市の中心部より少し離れた場所にある「辻」。そこに沖縄のレザー業界に革命を起こしたお店がひっそりと佇んでいます。
ただの革製品と思うなかれ、「琉球レザーL.L.A」が産み出すその一つ一つは、琉球のマブイ(沖縄の方言で「魂」)がしっかり注ぎ込まれており、その商品を求め常に客足は遠退きません。
丁寧に創り込まれた作品で我々を魅了し続ける琉球レザーL.L.Aを、今回徹底深掘りしてみました。
あなたが求めている逸品に出逢えるかもしれませんよ!
1.ここ沖縄でしか造れない革製品
琉球レザーL.L.Aが誕生したのは今から18年前、2003年に遡ります。
当時沖縄には「琉球レザー」と言う言葉すらなく、革製品を取り扱うお店もほとんどありませんでした。
当時のことをお話しくださったのは、有限会社LLAの代表取締役 土田智也さんです。

「元々純粋なバイク乗りでして、これに乗って神奈川から来ました。26歳の時に荷物積んで、当時そういうの流行ってて、ガソリンも安かったですしね~。ガソリンも70円位で買える時代でしたからね。実は21歳ぐらいの時に一度沖縄には来てるんですよ。当時沖縄は相当盛り上がっていて、文化的にも凄い面白いな~と感じてですね、それで“よし!住もう!”って決めて26歳の時に一旗揚げにきました(笑)」
そんな土田さん、沖縄移住した当時からレザー業界に入ったわけではなく、当初は居酒屋で働いていました。ただ当時は観光もそれほど景気が良いわけではなく、その収入だけでは生活費を賄うことが出来ませんでした。そこでバイク乗りの経験や趣向を活かして、革製品作りをはじめます。

店舗にディスプレイされた「ハーレーダビッドソン」
「最初は知り合いとか友人に買ってもらってました。するとたまたま店舗の話が来たんですよ。沖縄って家賃安いし敷金礼金も払わないでいいって言うんで、ちょっと物件探したら3万で借りられる場所見つけてですね、それじゃお店構えようって事で始めましたね、Barの経営を絡めて。」
店舗を構え、昼は革細工、夜はBarの経営という二束のわらじとなった土田さん。18年前当時、まだ革製品が浸透していない頃には「沖縄で革は流行らないから辞めな」と言われる事もあったそう。そんな中での挑戦。不安などなかったのでしょうか?
「まぁ何とかなるんじゃないかな?くらいの感じで不安はありませんでした。
ただキチッと造れば沖縄でも革製品は浸透するんじゃないかなと思い、なぁなぁでは無くちゃんとやると決めてました。販売だけでなくメンテナンスも含め、“しっかりとした革製品のお店”をやろうと。そしてやるからには観光産業にしようと思いましたね。ただ、僕は沖縄の文化や観光産業に詳しくないので、最初は図書館に入り浸り色々調べました。するとたまたま“沖縄の手織り”なる本を見つけまして、読んでいくと「首里織り」が出てくるんです。直ぐに本を借りましたね。そこで“沖縄の手織りを生地に埋め込んで革製品を造る”ってアイデアが浮かびました。」

そこから土田さんの行動力がさらに発揮されていきます。図書館を出た土田さんは、すぐに「首里織り」の組合に会いに行き、織を購入して、すぐに自身のイメージする革製品とのコラボレーション商品作って、再び組合に見せに行きました。こんな商品が作りたいとプレゼンテーションを行ったのです。
その後も組合からの許可はすぐには下りませんでした。中には、紅型織を革細工に絡めた土田の作品にビックリする職人さんもいる中で、しかしやがて、何度も何度も足を運び訴える土田さんの「せっかくの素晴らしい伝統や文化を若い人達に浸透させたい」という熱意が伝わり、ついに許可されることに。土田さんの努力と熱意が、遂に「琉球レザーL.L.A」の誕生へとつながるのです。
「実は最初は名前違ってたんですけどね。どうせやるんだったらって事で、途中で「琉球レザーL.L.A」にしました。沖縄は革は造れないですが、織を入れ込むのは沖縄でしか出来ないので、だから沖縄の織を入れ込んだ革製品のお店で琉球レザーです。」
組合からも許可を受け、ついに本格始動した「琉球レザーL.L.A」が、このあと広く世に認知される出来事が起こります。土田さんが知名度アップを願ってたまたま見つけた工芸コンテストで、見事入賞したのです。
「あれだけ組合に頼み込んでスタートしたので、直ぐに認められないとマズイなって思いがありましたね。そこでたまたま見つけたコンテストに応募して作品を出展しました。「首里織のランドセル」造ってね。そこで賞を頂いてからは爆発的にドーンと行きましたよね~。テレビや新聞色んなメディアが来てくれて、あのコンテストがなかったら結構大変だったのかも知れませんね。あのコンテストも締め切り間際に応募したんで」
なんと締め切り2日前に制作を開始して入賞をおさめた土田さん。その結果ようやくその存在とニーズを認められ、今では首里織の組合から感謝状などを受け取ることも。そうやって「琉球レザーL.L.A」は広く認知されていくようになりました。
「ミンサー柄ってあるじゃないですか。当時ミンサー柄は、皆さん帯の部分としか見てなかったと思うんですけど、ウチは革製品の中にミンサー柄を入れ込んだり、カービング(彫刻)してみたり、って言うのをやり出してからは、沖縄全体に一気にドワーっと広まりましたよね。今ではジュエリーやアクセサリーにもミンサー柄が彫られてるじゃないですか。アレは元を辿れば実はウチなんですよね。始めた当初はミンサー柄は帯にしか無かったですから。」

今となっては当たり前となった「ミンサー柄」をモチーフにした、様々なアクセサリーなどのデザインも、もとはそれと革製品を掛け合わせた土田さんのアイデアから生まれた、新しい沖縄スタイルとなっているのです。

琉球レザーL.L.Aが手がける商品は、その一つ一つが全て手造りで出来ています。光沢な革に丁寧な織が入っているのが特徴です。扱う商品は財布に鞄、名刺入れにアクセサリーとラインナップは充実しています。
土田さんは語ります。琉球レザーはここ沖縄でしか造る事ができないと。
しっかりと長持ちする革だからこそ取り扱いが難しく、また自身の目でしっかり見極めた織物でないと商品開発に進む事ができないからだそうです。
理由はただ一つ、それは商品を産み出すのが人であれば、その商品を扱うのもまた人だから。

扱う以上、お客様に満足して永く使っていただきたいからこそ、沖縄という環境をマストと考えるのです。
商品にダメージを受けても安心。「琉球レザーL.L.A」ではメンテナンスも行っています。織がダメになっても綺麗に張り替え直し、細かいものは糸まで分解して縫い直します。革のメンテナンスも丁寧に、その場で修理できるものは即座に対応と、お客様の声に応えます。

長年訪れるゲストを虜にし続けるのは、商品に対する思いとお客様を思う気持ちが比例しているから。はたまた、土田さんがお客様の喜ぶ顔を直接見たいからなのかも知れませんね。
2.他社では見られない商品の数々


豊富な品揃えの中には、珍しくて可愛らしい商品から、こんな物まで!?という商品まであり、店内は見ていて全然飽きがこず楽しい。


ブレスレットにコインケースなどの小物から、ビジネスシーンに最適な最高級クロコダイルの2WAYバッグ、琉球レザーL.L.Aのセカンドブランド「INCENSE BELL(インセンスベル)」のバッグは女性に人気No.1!

琉球レザーL.L.A 7周年記念に誕生したプレミアムシリーズ「UCHIDENOKOZUCHI(うちでUCHIDENOKOZUCHIのこずち)」。
プレミアムシリーズの中でも特に沖縄らしい商品は三線スタンド。
全体にカービングが施されたスタンドは存在感抜群で、おじぃにプレゼントすると喜ばれそうです。他にもレザーチェアーや、バイカーにオススメの限定品ディアキップジャケット、LLA絶賛の粗塩まで、記事では紹介しきれない程まだまだ魅力溢れる商品が盛り沢山。
ぜひ皆さんも直接「琉球レザーL.L.A」に遊びに行ってみてくださいね。
3.キチッとやる!


土田さんにお話を伺う中で、所々感じたフレーズがあります。それは「キチッとやる」と言う所。その部分は様々な箇所に現れており、ウッドテイストで綺麗に統一された演出などもそうです。

イカした店内もまたウッド調で統一されており、木の温もりと沖縄テイストが絶妙にマッチ。綺麗に陳列した商品に、オレンジ色の暖かな光がライトアップされています。
店内全てを土田さん自身が手造りでウッディーに仕上げており、天井や壁、レイアウトや証明と細部に渡るまで、キチッとこだわりを見せています。20代の頃にまたがってたハーレーもキマっててかっこいい!ちなみに写真左が、初めて沖縄に来た時のハーレーなんだそう。

「革って奥が深いんですよ。革の良し悪しもキチッと出ます。悪い革ならヘニャヘニャになるし、良い革はコシやハリがあり形崩れもせず長持ちする、その辺の見極めをできる様になるにはやっぱり長い年月がかかるんですよね。技術に関しても他の業種の様に名前の付いたやり方がある訳でもなく、同じ技術が無いんです。作業も全く違うし使うミシンも違うし、独自のやり方があるんですよね。」

「1年商品売ってまた1年売って、3年目で「こんな所が壊れるんだ」と初めて気付き修正、これを5年10年15年とやっていくんですね。なので素材一つにしても作業にしてもキチッとやらないといけないんですよ。それこそ首里織りの組合さんに頭下げた時の様に。勝手にやるんじゃなく筋を通してキチッとやる。接客も店作りもメンテナンスも…メディアの取材応対もね」
そう笑顔で語ってくれた土田さん。気さくで明るく優しい姿の中には、沖縄の伝統を大切にする心と、革に対する熱い気持ちがハイブリッドされた“マブイ”を感じます。

取材中も終始笑顔で応えてくれた土田さん。手にした作品を眺める姿は、まるで愛する我が子を抱く父親の様に見えました。
「キチッとやる!」当たり前の様でなかなか出来ない事を、またキチッとやるのが「琉球レザーL.L.A」なのです。

屋号通りにレザーを愛し、琉球の伝統文化を愛する土田さんは、今も尚、新たな作品にマブイを吹き込み続けています。「琉球レザーL.L.A」では、素敵な作品達がアナタと出逢えるのを楽しみに待ってる事でしょう。
Photo&text:松本 圭樹
(取材:2020年4月)
住所: 沖縄県那覇市辻1-13-7
電話番号: 098-862-7645
営業時間: 11:00~18:00
定休日: 日曜 月曜日
駐車場: あり
店舗詳細URL: http://ryukyuleather-lla.com/index.htm