【沖縄のルーツをたどる旅】沖縄県立図書館の「沖縄系移民一世ルーツ調査・相談サービス」で感動の再会!

ハイサイ!おきなわちゃんねるのじゅん選手、まいこ、ひーとーが、沖縄の深い歴史と感動の物語に触れる旅へ出発!今回訪れたのは、沖縄県立図書館。那覇空港から車で約15分の場所にある「カフーナ旭橋」という複合施設内にあり、沖縄の文化と歴史が詰まった場所です。
沖縄の「チムグクル」が詰まった場所
沖縄県立図書館は、ただの本を貸し出す場所ではありません。ここでは、沖縄の「チムグクル(肝心、真心、気持ち)」が詰まった特別なサービスが提供されています。それは、「沖縄県系移民一世ルーツ調査・相談サービス」。

「沖縄系移民」とは、明治時代から戦後にかけて、生活の糧を求めて沖縄から海外へ渡った人々や、その子孫たちのことです。ブラジル、ペルー、ハワイなど、世界各地に多くのウチナーンチュ(沖縄の人々)が移住しました。そして、彼らが築いたコミュニティは、今も世界中で「ウチナーンチュネットワーク」として、沖縄の文化や伝統を守り続けています。
あなたのルーツをたどる「渡航記録データベース」
沖縄県立図書館では、この沖縄系移民の方々のルーツをたどるための「渡航記録データベース」を作成・公開しています。このデータベースは、沖縄で生まれ、海外へ渡航した人々の苗字や名前、生年月日、出身地などを記録した膨大な情報源です。

驚くべきは、その詳細さと網羅性。図書館の担当者である原さんの説明によると、日本語、英語、スペイン語、ポルトガル語での検索が可能で、苗字と名前を入力するだけで、その人がいつ、どこへ行ったのか、そして元々どこに住んでいたのか、という本籍地までがわかるそうです。
しかも、この調査サービスは「無料」で提供されています。年間200件もの依頼があり、毎週のように海外からウチナーンチュの子孫たちが、自分の祖先や親戚に会いたい、お墓参りしたいという思いを胸に沖縄を訪れています。
時間と労力が生み出す感動の物語
このデータベースの作成には、途方もない時間と労力が費やされてきました。先人たちが20年、30年もの歳月をかけて、膨大な記録をテキスト化し、ローマ字化し、データベースへと落とし込んでいったのです。

同姓同名、さらには同じ地域に同じ名前の人が何人もいる中で、一人ひとりの情報を正確に特定するのは至難の業です。例えば、「比嘉カマさん」や「カマドさん」といった沖縄でよくある名前は、女性だけでなく男性にも使われていたため、海外のローマ字表記だけでは判別が難しいケースも多々あったそうです。しかし、それでも担当者たちは、細心の注意を払いながら、一枚一枚の記録を丹念に確認し、故郷を離れた人々の足跡を追い続けています。

この調査サービスは、海外に住むウチナーンチュの子孫だけでなく、沖縄に住む人々にとっても大きな意味を持っています。遠い親戚が海外へ渡航し、連絡が途絶えてしまった人々が、このデータベースを通じて再会したり、祖先の歴史を知るきっかけを得たりすることも少なくありません。まさに、沖縄と世界をつなぐ「絆の架け橋」と言えるでしょう。
実際に体験!ルーツ調査報告会

今回は特別に、JICA(国際協力機構)が主催する「日系社会研修」の「ルーツ調査」報告会に参加させていただきました。この研修には、ブラジルやペルーなど、世界各地のウチナーンチュの子孫たちが参加しており、沖縄県立図書館の調査サービスを利用して、自身のルーツをたどる調査を行っています。

報告会では、参加者の方々がポルトガル語やスペイン語で、自身の調査結果を発表していました。中には、沖縄に来るまで自分の祖先のことをほとんど知らなかったという方もいらっしゃり、データベースを通じて自分の祖父母の渡航記録や生活の様子、さらには琉球王朝時代までさかのぼる家紋の歴史まで発見したと語っていました。その感動的な発表は、会場にいる全ての人々の心を揺さぶりました。

報告会後、研修に参加していた方々から直接お話を伺うことができました。ブラジルから来た具志堅さんは、「自分の祖先がどれほど苦労してブラジルへ渡り、生活を築いてきたのかを知り、心から感謝の気持ちでいっぱいになった」と語っていました。そして、「この感動を、ブラジルにいる家族や親戚、そして多くのウチナーンチュに伝えたい」という熱い思いを語ってくれました。
絆を大切にする「ウチナーンチュの精神」

この「沖縄県系移民一世ルーツ調査・相談サービス」は、単なる情報の提供ではありません。それは、沖縄の人々が大切にしてきた「チムグクル」や「ゆいまーる(助け合いの精神)」、そして「絆」を象徴するものです。
過去の出来事や歴史を深く掘り下げ、自分のルーツを知ることで、私たちは自分のアイデンティティを再確認し、未来へとつながる新たな希望を見出すことができます。このサービスは、沖縄と世界をつなぎ、世代を超えた絆を育む、かけがえのない役割を果たしています。

あなたも、沖縄のルーツをたどる旅に出てみませんか?沖縄県立図書館の「沖縄系移民一世ルーツ調査・相談サービス」が、あなたの心に感動と新たな発見をもたらすかもしれません。詳細は、沖縄県立図書館のウェブサイトをご覧ください。
撮影協力
名称:沖縄県立図書館
住所:沖縄県那覇市泉崎1-20-1
電話:098-894-5858
HP:https://www.library.pref.okinawa.jp/
