【2025年7月5日、大災害が来たら?】食べる野草で生き抜く!【沖縄の防災食】〜本当に美味しいサバイバル飯3品〜
2025年7月5日、日本に大災害が起こるという予言をご存知ですか?

近頃、SNSやニュースでまことしやかに囁かれている「2025年7月5日予言」。その信憑性はさておき、私たちはいつ起こるかわからない大災害に、常に備えておく必要があります。特に「食」は、命の根幹を支える大切な要素。もし大規模な災害が発生し、通常の食料供給がストップした場合、私たちはどうやって生き延びれば良いのでしょうか?

今回の「おきなわちゃんねる」では、そんな有事の際に役立つ「生きる防災食」の知恵を、那覇市防災危機管理課の源河(げんか)さんをお招きして学びます!
なぜ今、「野草」が防災食として注目されるのか?
従来の防災食といえば、長期保存可能なレトルト食品や缶詰、フリーズドライ食品などが主流です。これらは非常時に最低限のカロリー摂取を保証してくれますが、大きな弱点があります。それは、炭水化物が中心で、ビタミン、ミネラル、食物繊維、タンパク質といった重要な栄養素が不足しがちであることです。


これらの栄養素が長期にわたり不足すると、体の調子を崩したり、免疫力の低下、さらには「災害関連死」に繋がるリスクも指摘されています。特に、食物繊維の不足は便秘を引き起こし、避難生活における衛生環境の悪化と相まって、深刻な健康問題に発展する可能性があります。

そこで注目されるのが、身近に自生している「野草」です!
野草は、私たちの周りに当たり前のように生えていながら、驚くほど豊富な栄養素を含んでいます。適切な知識があれば、災害時でも手軽に栄養を補給できる「生きたサプリメント」となり得るのです。
【公園で学ぶ】沖縄で身近に採れる「食べられる野草」とその特徴

今回は、那覇市若狭にある「若狭海浜公園」の敷地内で、源河さんと一緒に食べられる野草を探しました。公園管理課から特別に許可をいただき、普段は目に留めない足元の植物たちが、実は貴重な食料になり得ることを学びます。
ツワブキ(キク科ツワブキ属)

- 特徴: 丸く大きな葉が特徴的な植物で、沖縄の道端や川沿いでよく見かけます。
- 食用部位: 葉柄(茎の部分)。
- 調理の注意点: 独特の苦みやアク(有毒成分)があるため、必ず茹でて水にさらし、アク抜きをしっかり行う必要があります。煮物やきんぴらなど、和食によく合います。
- 栄養: 食物繊維が豊富で、腸内環境を整える助けになります。
タニワタリ(チャセンシダ科アスプレニウム属)

- 特徴: シダ植物の一種で、湿った場所や木の幹に着生していることが多いです。
- 食用部位: 柔らかい新芽。
- 調理法: 独特のシャキシャキとした食感が特徴で、炒め物や味噌汁の具として利用されます。沖縄の八重山地方では郷土料理として親しまれており、高級料亭で天ぷらとして提供されることもあります。
- 栄養: ビタミンAや食物繊維が豊富に含まれています。
タンポポモドキ/ブタナ(キク科エゾコウゾウリナ属)


- 特徴: 日本全国どこでも見られるタンポポによく似た植物。
- 食用部位: 若葉、花、根、全て食用可能。
- 調理法: 若葉はサラダとして生で食べられます。成長したものは、少し苦みが強くなるため、茹でておひたしにしたり、炒め物にしたりするのがおすすめです。天ぷらも美味しいです。
- 栄養: カリウムやカルシウムなどのミネラル、ビタミンCが豊富です。
シロノセンダングサ/サシグサ(キク科センダングサ属)

- 特徴: 服に引っ付く種子(ひっつき虫)でおなじみの植物。沖縄では「サシグサ」と呼ばれています。
- 食用部位: 若い葉。
- 調理法: 苦みが少なく、クセもないため、おひたしや炒め物、味噌汁の具材として手軽に利用できます。
- 栄養: 食物繊維、ビタミンC、鉄分などが豊富で、栄養価が非常に高いとされています。ヤギが好んで食べる草としても知られています。
オオバコ(オオバコ科オオバコ属)


- 特徴: 道端や公園の片隅に群生している、身近な野草。日本では「相撲草」や「七草」の一つとしても知られています。
- 食用部位: 若葉。
- 調理の注意点: 茹でて水にさらし、アクを抜いてから食べます。
- 栄養: 食物繊維が豊富で、便通改善に役立ちます。
アキノノゲシ(キク科アキノノゲシ属)


- 特徴: タンポポに似た黄色い花を咲かせます。
- 食用部位: 若芽。
- 調理法: 苦みが少なく、サラダとして生食も可能です。天ぷらやおひたしにも適しています。
- 栄養: ビタミンやミネラルをバランス良く含んでいます。
シロツメクサ(マメ科シャジクソウ属)

- 特徴: クローバーでおなじみの植物で、三つ葉や四つ葉を探した経験がある人も多いでしょう。
- 食用部位: 若葉と花。
- 調理法: ほのかな甘みとシャキシャキ感が特徴で、和え物や天ぷらにすると美味しいです。
- 栄養: ビタミンC、カルシウム、タンパク質が含まれています。
ツボクサ(セリ科)

- 特徴: 丸い葉の形が特徴で、湿った日陰に生えていることが多いです。
- 食用部位: 全草。
- 調理法: ミツバに似た独特の風味があり、炒め物や味噌汁の具として利用できます。ハーブとしても活用され、様々な効能が期待されています。
- 栄養: 鉄分、カルシウム、ビタミンKなどを含み、特に健康効果が高いと注目されています。
限られた環境で最大限の美味しさを追求!防災食と野草のアレンジレシピ


災害時には、調理に使える燃料や水が限られます。そんな状況でも美味しく栄養が摂れるよう、今回は以下の工夫を凝らした3品を実際に作って食べ比べました!
【空心菜とコンビーフハッシュのチャンプルー】

- 野草: 市役所の屋上で育てている空心菜(茎と葉に分けてカット)。
- ポイント: 市役所構内の家庭菜園で自生する空心菜は、暑さに強く手間いらずで育つため、家庭での栽培にも最適です。コンビーフハッシュ(レトルトパウチ推奨)は缶詰よりもゴミが少なくコンパクト。空心菜のシャキシャキ感とコンビーフハッシュの旨みが相性抜群で、食べ応えのある一品です。
【アキノノゲシとあさりのバジル風味パスタ】

- 野草: 公園で採取したアキノノゲシ。市役所の屋上で育てているバジル。
- ポイント: パスタは事前に1~3時間水に浸しておくことで、茹で時間を約1分に短縮できます。これにより、貴重な燃料と水の節約が可能になります。あさりの水煮缶とニンニク、オリーブオイルで香り高く炒め、アキノノゲシを加えて絡めます。磯の風味と野草のほのかな苦みが絶妙にマッチした、まるでレストランのような味わいです。
【サシグサ、タンポポモドキ、サキイカの天ぷら】

- 野草: 公園で採取したサシグサとタンポポモドキ。
- ポイント: 災害時に揚げ物をする機会は少ないかもしれませんが、もし可能であれば、手軽に栄養補給ができる天ぷらはおすすめです。サキイカ(乾物)を一緒に揚げることで、香ばしさと旨みが加わり、より美味しくなります。バジルの天ぷらは、独特の爽やかな香りが引き立ち、驚きの美味しさです。塩を振るだけでも十分に満足感が得られます。
【重要】野草を食べる上での注意点と備蓄の考え方

- 知識が命綱: 野草の中には、食べられるものと毒性を持つものが混在しています。必ず専門家や図鑑などで種類を正確に判断し、確実な知識を持ってから採取・調理してください。少しでも不安な場合は絶対に食べないでください。
- あくまで補助食: 野草は、不足しがちな栄養素を補うための「補助的な食料」として考えてください。主食となるアルファ米や乾麺、タンパク質源となる長期保存肉(レトルトパウチのサラミなど)や魚介缶詰、栄養補助食品など、しっかりと計画的な備蓄が基本です。
- ローリングストック: 備蓄食料は、定期的に消費期限を確認し、普段の食事で消費しながら買い足していく「ローリングストック」を実践しましょう。これにより、常に新鮮な食料を確保でき、いざという時にも無駄なく活用できます。
- 「食べる・回す・備える」: 源河さんが提唱する「食べる・回す・備える」の防災サイクルは、備蓄食料を無駄なく活用するための重要な考え方です。定期的に備蓄食を食べ、新しいものと入れ替えることで、常に最適な状態を保ちましょう。


今回の動画を通して、皆様の防災意識が少しでも高まり、災害への備えを見直すきっかけとなれば幸いです。
取材協力
名称:若狭公園
住所:沖縄県那覇市若狭3丁目14
名称:那覇市若狭津波避難ビル
住所:沖縄県那覇市松山2丁目22−1
名称:那覇市防災危機管理課
住所:沖縄県那覇市泉崎1丁目2−2 5階
電話:098-861-1102
