突然ですが、あなたは、もし今、大地震や津波が起きたら、どう動きますか?
本土に比べて地震が少ないイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、実は那覇市では今後30年以内に震度6弱以上の揺れが起こる可能性がなんと40%とされています。これは決して無視できない数字です。
「もしもの時」に備えることの重要性。
「もしもの時」に備えることの重要性は、頭では分かっていても、実際にその状況を体験することなく、正しい行動ができるでしょうか? 不安やパニックは、適切な判断を鈍らせてしまいます。
そんな「もしもの時」に備えるための知識と体験を、楽しみながら学べる画期的なイベントが那覇市で開催されました! 私たち「おきなわちゃんねる」も参加させていただいた、その名も「地域防災フェア」。
普段なかなか体験できない貴重なコンテンツが盛りだくさんでしたので、その魅力と学びを余すことなくご紹介します!
「リアル」が意識を変える! 防災フェアで体験した驚きと学び


今回の地域防災フェアでは、様々な角度から防災を学ぶためのユニークな体験が用意されていました。ただ話を聞くだけでなく、実際に体感することで、防災意識を「自分ごと」として捉えることができました。
沖縄初上陸!「免震体験車」でリアルな揺れを体験


今回のイベントで最も注目を集めていたのが、沖縄にはないという「免震体験車」です。これは県外から特別に持ち込まれた、非常に貴重な車両。私たちはまず、東日本大震災と熊本地震の「実際の揺れ」を体験しました。
あつきにいにいも「すごかったっす、本当!」と驚きを隠せないほどの縦揺れと衝撃。つかまるものがなければ、確実に転倒してしまうほどの激しさでした。

そして次に体験したのは、同じ揺れを「免震構造の建物」で受けた場合です。建物の基礎に設置された特殊なゴム(免震ゴム)が揺れを吸収し、その揺れは劇的に軽減されました。その違いは歴然! 免震構造がいかに建物の安全性を高めるか、身をもって知ることができました。 那覇市役所も実は免震構造になっているとのこと。私たちは「来るって分かってるから構えられる」と感じましたが、突如として襲いかかる地震に、冷静でいられるのは本当に難しいことです。免震構造の重要性と、いざという時の冷静な判断のためにも、このリアルな揺れの体験は非常に意義深いものでした。
煙の恐ろしさを痛感!「煙体験ハウス」での避難訓練

火災現場で最も怖いものの一つが煙です。視界が遮られるだけでなく、有毒ガスを吸い込む危険性もあるため、迅速な避難が求められます。
「煙体験ハウス」では、人工的な煙が充満した真っ暗な空間を体験しました。一歩足を踏み入れると、「マジ見えない!ヤバい!」「ヤバい!ヤバい!」「後ろ見えない!」と、ひーとーもあつきにいにいも、その視界の悪さに驚愕。ドアが開けられても、煙で見えなかったほどです。


那覇市防災管理課の源河さんからは、「煙の中って、やっぱ煙ってすごい怖いんですよ。それ自体吸い込んだら命を亡くすかもしれないし、どこに行っていいか分からなくなる」とのお話がありました。この体験を通じて、煙から身を守るために低い姿勢で移動すること、そして非常口を示す緑色のピクトグラム(避難口誘導灯)が煙の中でも光って見えることの重要性を学びました。
もし夜中に自宅で火災が起きたら…そう考えると、日頃からの備えと知識がいかに大切か痛感させられました。「備え大事ですね」という言葉が、心の底から湧き上がってきました。
災害派遣の最前線!陸上自衛隊の「偵察用オートバイ」


会場には、陸上自衛隊による偵察用オートバイの展示も。これはただのバイクではありません。一般の市販モデルをベースにしつつも、防衛省仕様にカスタマイズされた特別製です。エンジンガードや特殊なスイッチなど、過酷な環境での活動を想定した設計が施されています。
自衛隊の方からは、「車では通れない場所を小型の車で行き、もしオートバイでも行けない時は荷物を背負って徒歩で前進し、孤立集落の人たちの安否確認にいく」といった、実際の災害派遣における役割を詳しく教えていただきました。実際にヘリで運ばれ、孤立集落の確認にも使われているとのこと。あつきにいにいも実際にまたがらせてもらい、「身が引き締まりますね」とコメント。自衛隊の皆さんの使命感と、災害時における機動力の高さに感動しました。

今回は、お笑い芸人のやす子さんとのコラボ絆創膏など、自衛隊を身近に感じてもらえるようなユニークなPRグッズもいただきました。私たちのチャンネルも見てくださっている隊員さんもいて、大変光栄でした!
日常が壊れる瞬間を追体験!「VR地震体験」

最新技術VRゴーグルを使った地震体験では、過去の大災害、特に阪神淡路大震災の揺れをリアルに追体験できました。キッチンや学校といった日常の空間で、実際に物が倒れてくる様子が忠実に再現され、緊急地震速報の音も鳴り響きます。
あつきにいにいも「ヤバい!ヤバい!ヤバい!怖い怖い怖い!」と絶叫。ひーとーも「酔ってるんだよね…」と話すほど、まるで本当にその場にいるかのような臨場感でした。普段過ごしている場所での地震の怖さを体感し、いざという時に身を守るための行動をシミュレーションできる貴重な体験でした。
命をつなぐ温かい食事!自衛隊の「炊き出し訓練」


災害時、被災者の心身の支えとなるのが温かい食事です。自衛隊による炊き出し訓練では、一度に200人分の食事を2時間で調理可能という専用車両が登場。カレーやそば、唐揚げなど、温かい食事が提供され、被災地での支援活動の様子もパネル展示されていました。
源河さんからは、「寒い中で温かい食事を届けるというのは、本当に被災している人たちの心の支えになります」というお話がありました。航空自衛隊の「空上げ(からあげ)」や海上自衛隊の「金曜カレー」など、部隊ごとのユニークな料理文化も紹介され、自衛隊の皆さんの普段の姿にも触れることができました。
身近なもので「備え」を強化!「100均防災グッズ」展示


防災は特別なものだけでなく、日頃からの備えが大切です。会場には、ダイソーで購入できる100均の防災グッズが展示され、簡易トイレや吸水シートなど、安価で手軽に用意できる商品が多数紹介されていました。
私たちも以前、100均防災グッズを紹介する動画を制作したのですが、実際に目の当たりにするとその有用性を再認識できました。「5分ぐらいで出来ました!」と、簡易トイレの組み立ての簡単さにも驚き。いざという時に、身近なものでも役立つ防災グッズがあることを知り、安心感が増しました。
その他、地球の内部構造や津波のメカニズム、沖縄における地震発生確率など、様々な防災知識が学べるパネル展示も充実していました。
なぜ今、家族で「防災」を学ぶべきなのか

今回の「地域防災フェア」を通じて、源河さんは「那覇市では、家族で来て、お休みの日にちょっと楽しみながら災害を知ってもらうというイベントを重視しています」と語られました。そして、「こういったところで子供たちが色んな勉強をして少しでも知識があったら、もしかしたらね、災害の時に誰か助かるかもしれない。家族で共有するのもとても大事なんです」と、防災教育の重要性を強調されていました。
「堅い」「怖い」といったイメージが先行しがちな防災イベントですが、今回のように、ゲームや体験、展示を通じて興味を持ってもらうことで、より多くの人が防災を「自分ごと」として捉え、学びを深めることができます。特に、子どもたちが楽しみながら知識を身につけることは、将来の沖縄、ひいては日本の防災力の向上に直結するでしょう。
未来を守るために、今日からできること

災害はいつ、どこで起こるか予測できません。しかし、知っているか知らないか、備えているか備えていないかで、その後の状況は大きく変わります。
今回の防災フェアで得た知識と体験を活かし、ぜひご家庭でも防災について話し合い、必要な備えを進めてみてください。そして、今後も開催される防災イベントに、ご家族やご友人と一緒に、あるいは一人でも、気軽にフラッと立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
未来を守るための第一歩を、今、ここから踏み出しましょう!
取材協力
名称:那覇市防災危機管理課
住所:沖縄県那覇市泉崎1丁目2−2 5階
電話:098-861-1102
名称:カフーナ旭橋A街区
住所:沖縄県那覇市泉崎1丁目20−1
