ウォーターサーバーを導入するなら、ウォーターサーバーの仕組みをきちんと理解した上で使いたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
ここでは、一般的なウォーターサーバーの仕組みについて分かりやすくご紹介します。
冷水・温水をつくる仕組みや水供給の仕組み、オプション的な機能に至るまで、幅広くご説明しましょう。
仕組みについて分かった方は、ウォーターサーバーランキングも参考に見てみてください。
ウォーターサーバーの基本構造

ウォーターサーバーを利用することがあっても、その内部構造について知る機会はあまりないものです。
ここでは、まずウォーターサーバーの基本構造についてお伝えします。
ウォーターサーバーは、サーバー本体に定められた方法で水を補充すると、タンクで冷やされた水や温められた水が給水される装置です。

ウォーターサーバーの内部には、冷水タンクと温水タンクが二層に分かれて設置されています。
本体の使いやすい位置に給水口が設置されています。
冷水タンクで冷やされた水が冷水用の給水口から、温水タンクで温められた湯が温水用の給水口から給水される仕組みになっていて、24時間いつでも使いたい時にお水やお湯を使えるのが特長です。
給水口については、温水用と冷水用が2つ付属しているタイプもあれば、温冷水の兼用タイプもあります。
また、給水方法についても、コック式やタッチパネル式などいくつかのバリエーションがみられます。
ウォーターサーバーが冷水をつくる仕組み


ウォーターサーバーの基本構造が分かったところで、次は冷水をつくる仕組みがどのようになっているかをお話ししましょう。
冷却器には、電子式、コンプレッサー式の大きく分けて2つの方式がありますので、それぞれ説明してゆきます。
電子式
電子式は、冷却タンク内に設置されたペルチェ素子というモジュールに電気を通すことで水を冷却する方式で、ペルチェ式とも呼ばれます。
ペルチェ素子とは、ペルチェ効果を用いた板状の半導体熱電素子の一種である。
ペルチェ素子は、ある方向に直流電流を流すと、素子の上面で吸熱(冷却)し、下面で発熱(加熱)する。出典:日本女子大学
電子式の場合、冷却にやや時間が掛かるのは難点ですが、次に述べるコンプレッサー式よりも冷却に必要な消費電力が少なく、また作動音が比較的静かなのが特長です。
節電を意識している人や機械の騒音を抑えたい人におすすめの方式です。
コンプレッサー式
コンプレッサー式のウォーターサーバーの場合、冷却用ガスを圧縮・循環させて、気化熱を使って水を冷却します。
これは、大型の冷蔵庫やエアコンなどにもみられる、冷却の方法として広く普及している方法です。
電子式よりも冷却速度が速い上、氷点下の低い温度まで冷やせる機能性の高さは、コンプレッサー方式ならではの特長です。
一方で、消費電力が電子式よりも多く、装置の動く音が大きいといったデメリットも挙げられます。
ウォーターサーバーが温水をつくる仕組み


冷水をつくる仕組みが理解できたところで、温水をつくる仕組みについても解説してゆきましょう。
温水をつくる仕組みには、金属棒を用いた方法と、ヒーターバンドを用いた方法があります。
金属棒
金属棒式は、ほとんどのウォーターサーバーで採用されている方式です。
金属棒式の場合、温水タンクの中に、シーズヒーターと呼ばれる金属棒が設置されていて、シーズヒーターに電気を通して加熱することで、タンク全体の水を温めてゆきます。
家庭用の電気ポットなどで採用されている仕組みと同じようなごくシンプルで一般的な方法です。
ヒーターバンド
ヒーターバンド式は、温水用タンクの周りに、熱を発するヒーターバンドを巻くことによって水を温める方式です。
ヒーターが薄型で形状をタンクに合わせて柔軟に変化させやすく、タンクの表面を満遍なく効率よく温められるのが特長です。



金属棒式と比べると採用されている機種は少ないですが、お湯を約90度まで温める力があり、機能面では遜色がありません。
ウォーターサーバーの水供給の仕組み


次に、ウォーターサーバーへの水供給の仕組みに関してもチェックしておきましょう。
水供給の仕組みとしては、宅配型、給水型、水道直結型の3種類が挙げられます。
ボトル宅配型
ボトル宅配型は、宅配された水のボトルやパックをサーバーに設置して使用するタイプのウォーターサーバーです。
宅配水が、自宅やオフィスといった指定の場所に定期的に届くため、水を発注したり、重たい水を運搬したりする手間が省けて快適に使いやすいです。
一方で、宅配された水のボトルの保管場所を確保するのが大変、重たい水の入ったボトルの交換が重労働で困る、といったデメリットも挙げられます。
サーバーのレンタル代以外にコストが掛かる点を負担に感じてしまう可能性もあります。
給水型
給水型は、サーバーに設置された給水専用タンクに水を補充しながら使用するタイプのウォーターサーバーです。
宅配型とは異なり、水を買う必要がないので、コストカットができます。
水道水でも十分ですし、こだわりがある人であれば自分の好みに合うミネラルウォーターを入れて使用可能です。
水を頻繁に使いたい場合は、こまめに給水を行う必要が生じてしまうので、やや不便に感じられることもあるでしょう。
水道直結型
水道直結型は、水道とウォーターサーバーを接続し、水道から直接水をひいて使用する方式です。
水道直結式の場合は、水の購入が不要な上、給水をする労力も不要なので、その点に関しては非常に使い勝手が良いと言えます。
ウォーターサーバーにろ過装置が設置されているため、水道水そのままではなく、よりクリーンで美味しい状態の水が給水されます。
ウォーターサーバーに搭載されているさまざまな仕組み


ウォーターサーバーの基本的な仕組みを一通り説明しましたので、つづいてオプション機能についてお伝えしてゆきます。
より快適に安全に使うための機能を知り、ウォーターサーバーを使いこなせるようにしてください。
温度調整
ウォーターサーバーには、用途に合わせて温度を細かく調整できる機能が付いている機種もあります。
ウォーターサーバーの設定温度は、基本的には冷水が5~10度、温水は80~90度が目安です。
温度調整ができる機種であれば、さらに低い温度や高い温度にも設定ができたり、常温に設定できたりするため、温度にこだわった使い方ができます。
再加熱機能
金属棒方式の温水タンクが搭載されている場合、一度加熱されたお湯が保温された状態でタンクに貯められています。



基本的には飲み物を作るのに適した85度程度に保温されています。
再加熱機能は、保温状態の湯を再加熱するための機能を指し、リヒート機能とも呼ばれます。
再加熱機能があれば、カップ麺などを作る時により高温の湯を用意することができて便利です。
クリーン機能
クリーン機能は、ウォーターサーバーの衛生面を維持するための機能です。
クリーン機能を搭載しているウォーターサーバーの場合、熱湯循環によって自動的にサーバー内を殺菌したり、紫外線によってUV殺菌したりして、サーバー内をクリーン状態に保ってくれます。
また、ほとんどのウォーターサーバーの給水口には、除菌機能を備えたフィルターが付いています。
フィルターによって外気に含まれるチリやホコリの侵入を防ぎ、水を浄化して、安心安全に使える水を給水する仕組みになっています。
エコモード
エコモードは、消費電力を抑えて電気代を節約できる機能を指します。
ウォーターサーバーは、保温や保冷、雑菌等のために24時間稼働している機器です。
エコモードが付いているサーバーであれば、消費電力を極力抑えてくれるため、電気代が気になる人にもおすすめです。
また、夜間になるとエコモードに切り替わる便利な機能を搭載した機種もあります。
チャイルドロック機能
チャイルドロック機能は、子どもが誤ってお湯を出して火傷を負うことがないよう、お湯が容易には出せないようにする仕組みのことです。
ボタン操作によるもの、二度操作によってお湯が出るようにするもの、などロックの掛け方は、サーバーによって異なります。
操作ミスで火傷を負う危険性を避けるために、子どもがいる家庭に限らず、付いていると安心できる機能です。
ウォーターサーバーの仕組みまとめ
ウォーターサーバーは、冷水タンクと温水タンクの二層を備えていて、給水口から適温を保った冷水や温水が給水される装置です。
水の給水方法については、宅配された水を設置するタイプのほか、自分で給水を行うタイプ、水道水と繋げて給水するタイプがあります。
基本的な機能に加えて、再加熱機能やクリーン機能、チャイルドロック機能などが搭載されていると、より快適に安全にウォーターサーバーが使えます。
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