1950年の開設以来、70年近く沖縄県民・那覇市民の「台所」として、また人気観光地として親しまれてきた第一牧志公設市場。
まるでアジアの外国を訪れているような独特の賑やかさや、人と人との触れ合いを楽しめるこの場所ならではの魅力が溢れていました。
そんな市場も老朽化のために2019年から新築工事が進められ、そしてついに2023年、リニューアルオープンしました。
そのあふれる活気はリニューアル前と変わらず、使いやすさや清潔感が格段にアップした新生まちぐゎー(市場)に!
新しく加わった設備や工夫が、さらなる魅力を生み出しており、地元の人々と観光客にとって心温まる場所としての輝きを放っています。
そんな新たな魅力たっぷりの第一牧志公設市場をご案内します。
沖縄の変わらない活気と新しい刺激を体験しよう!
1.新生第一牧志公設市場は3階建て
リニューアルした牧志公設市場は3階建て。
1階には精肉・鮮魚・加工食品・乾物などを販売する店舗が70店舗近く軒を連ね、2階には飲食店がずらりと並んでいて、今までと同じく「持ち上げシステム」が継承されています。
このシステムについては、後ほど詳しくご説明しますね。
そして3階は、料理体験教室やイベントのための多目的室を備えており、今まで以上に地域の人が利用しやすく設計されています。
2.活気あふれる1階へ
まずは1階から見てみましょう。
精肉エリア、鮮魚エリア、生鮮エリアに分かれているのは従来通り。
目的のものを探しながら、効率よく回ることができます。
こちらは鮮魚エリア。
沖縄ならではの、カラフルで新鮮な魚介類が並んでおり、眺めるだけでも十分楽しめますが、ここはぜひ、購入して2階の飲食店で調理してもらってはいかがでしょう?
これが「持ち上げシステム」と呼ばれるもので、1階で購入した食材は2階の飲食店へ運ばれ、その場で調理してもらえます。
どんな食べ方がおすすめか、ぜひお店の方に気軽に聞いてみてくださいね。
沖縄魚介類のプロがていねいに教えてくれますよ。
ちなみに調理代金は料理の内容によって異なりますので、事前にご確認を。
次は精肉エリアへ。
沖縄が誇るブランド豚肉「あぐー」をはじめ、「やんばる若鶏」や沖縄産の和牛なども豊富です。
沖縄名物?の「チラガー(豚の顔皮)」もリニューアル前と同様、健在です。
精肉も魚介類と同じく、持ち上げシステムを使えば2階で飲食OK。
あぐーしゃぶしゃぶなどが人気です。
もちろん全て郵送可能なので、お土産にもおすすめです。
生鮮エリアには野菜だけでなく、乾物やお菓子などの加工食品店も集まっており、まさに沖縄の台所といった雰囲気です。
こちらのお店は、ゴーヤーや島らっきょう、もずくなど沖縄の食材のお漬物店で、陽気な店主が出迎えてくれます。
ご飯のお供に、おひとついかがでしょう?
ピーナッツで作る沖縄の伝統食「ジーマーミ豆腐」の専門店は、創業なんと50年以上。
手作りならではの、濃厚でコク深いジーマーミ豆腐が絶品です。
一回りしただけで、沖縄の食文化がわかるといっても過言ではない1階フロア。
さまざまな香りが漂い、人の声が飛び交い、パワーをもらえる元気な場所でもあります。
3.ついに、2階の食堂街へ!
エスカレーターを使って、2階の食堂街へ!
エスカレーターがある中央部分は吹き抜けになっていて、開放感も清潔感も大幅にUP。
まるでショッピングモールのような洗練された佇まいです。
飲食店の数は全部で12。
沖縄そばやチャンプルー、タコライスなどの沖縄料理や、新鮮な魚介類を使った海鮮料理を出すお店が並び、多くが「持ち上げシステム」の利用が可能です。
もちろん、その場で料理の注文もできますよ。
シークワーサーやドラゴンフルーツを使ったジェラート、サーターアンダギーなど、スイーツ系のお店もちらほら。
食後のデザートを楽しむもよし、おやつに一服するもよし。
いずれにせよ沖縄のおいしいもので、身も心も満たされること間違いなしです。
4.便利な設備が目白押し
商店、飲食店ともに充実した牧志公設市場ですが、それ以外の設備も大きくパワーアップしています。
例えばこちらは、建物の外側に備えられたフォトスポット。
小道具が置かれていて、市場の人になりきって記念撮影ができます。
その他、バリアフリーの入り口やトイレ、エレベーター、授乳室、ペット用のトイレなど、新しく便利な設備が加わりました。
昔から受け継がれてきた伝統的な食材や料理の販売、フレンドリーな接客はそのままに、よりオープンな市場へと変貌を遂げた第一牧志公設市場。
ますます欠かせない観光名所の一つになったようです。
様々な変化を見せつつも、地域の誇りとなるような存在感は変わらず保ち続ける場所。
伝統と新しさが見事に融合したこの市場は、今後さらに多くの人々に愛され、訪れる人々に豊かな食と文化の体験を提供し続けていきます。
Text:仲濱 淳
Photo:白木 裕紀子
(取材:2023年7月)
住所: 沖縄県那覇市松尾2-10-1
電話番号: 店舗により異なる
営業時間: 8:00~21:0(店舗により異なる)
定休日: 第4日曜(12月は除く)正月・旧正月・旧盆※店舗により異なる