ワルミ大橋は、本島北部の今帰仁村天底と名護市の屋我地島を結ぶ美しい橋です。
全長は315mと、古宇利大橋の1,960mなどと比べるとそれほど長い印象はありません。
ただ、コンクリートアーチ橋としては日本で5番目に長いそうで、単に全長だけで比較してはいけないようです。
1.もともとは通学に欠かせない橋として架けられた
橋の名前ですが、本島と屋我地島に挟まれた狭い部分が割れ目に見えることから訛ってワルミと呼ばれるようになったといわれます。
ワルミ海峡に架かるからワルミ大橋と考えてよいでしょう。
また、近くには橋ができるずっと以前からワルミ入口というバス停も設置されています。
この橋は、近くにある古宇利大橋とセットと、地元では受けとめられています。
というのも、古字利島は今帰仁村に属しますが、島から古字利大橋を渡って今帰仁中学校に通学する場合、ワルミ大橋ができる以前はいったん名護市の東シナ海側海岸線に出て、羽地内海を大きく迂回する必要がありました。
その距離は約20km、所要時間は車で約30分です。
ワルミ大橋にはそれを短縮するために架橋された経緯があります。
橋ができてからは、距離が10km弱、所要時間は約15分と半分になりました。
特に古字利島の住民にとって、通勤や通学、村役場への用事など、生活の利便性のためになくてはならない橋であり、古宇利大橋を架けるときからワルミ大橋も架ける予定になっていました。
2.架けてみたらやはり絶景だった
地域住民のために欠かせない橋ですが、景色があまりにもいいために、観光スポットとしても人気になりました。
観光スポットになるのは想定内だったようで、今帰仁村側のたもとには駐車場や東屋もあり、車を停めて橋まで足を延ばしたり、日陰での休憩も可能になっています。
橋はまっすぐ延びていて、今帰仁村側から見て左手に歩道が設置されています。
この歩道を歩いて行きながら絶景を鑑賞するのが基本的な楽しみ方です。
ただ、意外に車の通行量が多いので気をつけましょう。
橋の上から北の方角を眺めてみると、ワルミ海峡の左手に本島、右手に屋我地島、その先に古宇利大橋と古字利島、さらにその左に運天港が見晴らせます。
南側を眺めると前方に今帰仁村から名護市にかけての山々、その手前に羽地内海の入口が見晴らせます。
古宇利大橋へ行く際に立ち寄るのもおすすめです。
両方の橋で絶景を楽しんでみてください。
Text:吉田 直人
Photo:根原 奉也
(取材:2023年8月)
住所: 沖縄県今帰仁村天底
電話番号: 0980-56-2256(今帰仁村経済課)
駐車場: あり(5台)