那覇市国際通りから一歩入ったアーケード街にある「雑貨屋たんたん」。
沖縄の手づくり雑貨にこだわった小さな店内は、毎日が色とりどりの手づくり市のよう。
「やちむん(焼物)」「木工品」「麻バッグ」「アクセサリー」「編み物」など、感性豊かな約30名の作家さんの作品を取り揃えています。
店主オリジナルのキノコ型スツールも大人気。心がほんわか温まるアイテムから、思わずクスっと笑ってしまう個性派まで、ここでしか出会えないモノばかりです。
\ おすすめプラン紹介 /
1.沖縄の手しごとにこだわった名品を取りそろえ
国際通りむつむ橋付近にある、ドン・キホーテ国際通り店横の「市場本通り」を入ってまっすぐ進むこと約6分。
今と昔が交差するノスタルジックなアーケード商店街、サンライズなは通りに「雑貨屋たんたん」はあります。
店主の貴さんは、長年勤めていた会社を退職し、もともとは日本蕎麦屋をするつもりだったといいます。
しかしあるとき趣味でつくった木工品を知り合いの雑貨屋さんが気に入り、店に置いてもらうことに。
すると作品が少しずつ売れるようになりました。
「日本蕎麦と木工品でジャンルは違いますが共通点もあります。蕎麦は粉と水の割合や分量を間違うと全部ダメになってしまいます。木工品も同じで、下書きの線が数ミリでもずれると、その後の全ての工程に影響が出てしまう。両方ともひとつ一つの作業がとても大事なんです。」
日ごとに木工づくりが楽しくなってきたという貴さん。
たまたまこの小さい店が空くことを知り、場所も気に入ったことから自然な流れで2014年に「雑貨屋たんたん」をオープンしました。
「東日本大震災を経験し、いつ何があるか分からないから、やれるときに今一番おもしろいと感じたことをとことんやろうと決めていました」と新しい世界へ飛び込むのに躊躇しませんでした。
そのうち縁が縁を呼び、多くの作家との出会いとともに商品も増え、今では下は中学生から上は70歳くらいまで約30名の作家の作品を揃えています。
ひときわ目を引く「工房 双子堂」のカラフルで表情豊かなやちむん。
その名の通り、双子の姉妹が営む工房で、陶芸を姉のあやさんが、絵付けを妹のいくさんが担当。
沖縄の日常や自然をモチーフに、見ているだけでワクワするような作品を生み出しています。
カップは1,000円代〜、お皿は2,000円代〜と地元価格なのもうれしいところ。
気になるアイテムは貴さんが詳しく教えてくれるので気軽に声をかけてみてくださいね。
どんな人によってつくられたのか話を聞くと、よりその作品への愛着がきっと湧いてきます。
思わず笑みがこぼれる「イカンソク」のハリネズミの置物。
穴に刺した爪楊枝を針に見立てたアイディア作品です。
爪楊枝の代わりに小さな花を一輪挿して、インテリアとしても使えますよ。
自身もモノづくりをする貴さんは作り手の想いを何より大切にしています。
「作家さんには商品が売れたときなど定期的に、お客さんがどういう風によろこんでくれていたとか反響を伝えたり、逆に、あの部分は気にしていたとか、言いにくいところではありますがダメ出し的なことも伝えるようにしています。そうすることで作家さんの魅力を少しでも引き出すことができればと思っています」。
写真中央、壺に入ったタコとエノキの正体はなんとアロマディフューザー。
壺からタコとエノキが取り出せるようになっていて、そこにアロマをしたたらすと香りが広がります。
写真手前、ヒトデやジーマーミ(落花生)の箸置きも人気です。
こんな一風変わった顔シリーズのやちむんも。ちょっとシュールな表情がたまりません。
沖縄でもこちらにしか置いていないという手編みのカゴバッグ。
使うほどに味わいが増し、天然素材なので春夏だけでなく秋冬にも使えます。
しっぽが耳元でゆらゆら揺れるワオキツネザルのイヤリング。
モノトーンで大人っぽいコーディネートにもよく合い、落ち着いた印象に仕上がります。
その左の陶器のピアスはターコイズカラーがクールな一品。
2.店主オリジナルのキノコ型スツールも必見
座面のぽってりとしたフォルムがかわいいキノコ型スツール。
大胆な色や柄でありながら、あたたかみが感じられ、空間にワンエッセンス与えてくれます。
軽くて丈夫な日本の杉と松を使い、やさしい手触りと座り心地を表現。
正座用から玄関用、キッチン&ローテーブル用、カウンター用など用途に合わせていろいろ選べます。
ゆったり座れるベンチ型もおすすめ。
スツールは高さや大きさ、脚の色、布などを好みに合わせてくれるフルオーダーも可能です。
使わなくなったお気に入りのシャツを持ち込んでリメイクなんていかがでしょうか?
木の棒や板から材料を切り出して土台までは自宅の工房で行いますが、生地張りは店でもできるとのことでその様子を少し見せてもらいました。
側面に革バンドを丁寧に取り付けていく貴さん。
「店番をしながら作業スペースで毎日トントンやってます」と笑顔をみせます。
その姿にお客さんも「何をしているですか?」など声をかけやすく、会話のきっかけにもなっているようです。
羊毛フェルト刺繍の「つむぎ屋」とコラボしたスツール。
マンドリルのなんとも言えない目と鼻と口。
座るのがもったいなくなってしまうかわいさです。
ほかにも紅型作家とのコラボなど、いろんな分野の人と展開しています。
ちなみに「つむぎ屋」の普段の作品はこちら。動植物の表情豊かなブローチは鞄や洋服のいいアクセントになってくれます。
「例えばこの“がま口カエル”を見たお客さんが『かわいい!』って気に入ってくれたり、よろこぶ笑顔を見るとこの仕事をしていて良かったと実感します。作家さんそれぞれの個性や、一点モノの魅力をもっと多くの方に知っていただきたいです。」
手のぬくもりが感じられ、毎日を楽しく彩ってくれる「雑貨屋たんたん」の作品たち。
運命の一品を見つけに出かけませんか?
Photo&Text:金城絵里子
(取材:2022年4月)
\ おすすめプラン紹介 /
住所: 沖縄県那覇市壺屋1-1-1
電話番号: 098-953-1673
営業時間: 11時〜18時
定休日: 不定休
店舗詳細URL: https://www.instagram.com/zakkayatantan