旅先で、友達や職場へのお土産選びに時間を取られてしまい、自分のためのお買い物は二の次になってしまうことってありますよね?
でも、せっかくの沖縄旅行です。
見返すたびに思い出がよみがえるようなお土産を、自分だけのために選んでみませんか?
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1.異分野の作り手が集う新しい工芸ショップ
那覇市のお土産ストリート=国際通りや、壺屋やちむん通りの近くにお店を構える「tituti OKINAWANCRAFT(ティトゥティ オキナワンクラフト)」。
こちらは、陶芸、織物、紅型作家、ジャンルの異なる作り手3人と、インテリアコーディネーターの計4名で運営するショップです。
店名の「tituti」は沖縄方言で「手と手」を意味し、「作り手」と「使い手」を繋ぐブランドでありたいという想いから、こう名付けられました。
(画像提供:tituti OKINAWANCRAFT)
店頭には、実際に作品を作った作家が立ち、お客様と直接顔を合わせての接客。
「作家の作品への想いやデザインの過程、ストーリーを伝えたい」と、このようなスタイルになったのだそうです。
店内に並ぶのは、作家さんの想いがつまったこだわりのアイテムばかり。
それでは早速、「tituti」で扱う3作家さんを紹介しましょう。
2.陶芸作家:金城有美子
やちむん(沖縄の焼き物)好きの間で知らない人はいないほど名の知れた陶芸家 金城 有美子(きんじょう ゆみこ)さん。
沖縄生まれ沖縄育ちの金城さんが手がける焼き物は、色鮮やかでポップ。
レインボーシリーズは温かみのあるやさしい色合いが人気です。
パッと目をひく明るい色は、使うたびに気分を上げてくれそうですね。
こちらは沖縄の空をイメージして色づけされた白ブルーシリーズ。
通常のマグカップと比べると2倍ほどの大きさがありますが、持ってみると驚くほど軽く、手によく馴染みます。
「使う方たちの意見を聞いて、作品作りに取り入れたい」という理由から、料理教室に通ったこともあるという金城さん。
料理教室の先生や主婦の方からヒアリングを行い“日常使いしたくなる”カップや器を制作されています。
息をのむほど美しいサンゴブルーシリーズは、地元でもなかなか手に入りません。
器の表面がキラキラと輝いていますが、この輝き加減は焼成後、窯の温度が下がる過程でできるガラスの結晶で、1枚1枚表情が異なります。
マットな仕上がりのものから、ガラスのように見えるものまで様々。
光の入り具合で見え方も変わるので、店頭で手にとって見てみてくださいね。
3.紅型作家:田中紀子
(スタッフの宮城さんと、紅型作家の田中さん<右>)
兵庫県出身の紅型作家 田中 紀子(たなか のりこ)さんは、沖縄の気候や工芸に魅せられて沖縄に移住。
田中さんが感じる沖縄の自然や生き物の生命力を、紅型で表現しています。
「生命を支える光(太陽)が、内地に比べて沖縄の方が力強いように感じています。
その光に照らされた植物は輝きもコントラストも美しいですね。」と田中さん。
紅型の柄は田中さんオリジナルで「モチーフにしているのは、内地から来た私が心を動かされたものです」と話します。
パッションフルーツの花とツルが大胆に染められた「がま口ミニバッグ」は、バッグとしてもポーチとしても使える優れもの。
マチが広いので見た目以上に容量が大きく、様々なシーンで使えそうです。
「工芸品を、もっと普段の生活に取り入れていただきたいと思っているんです」と話す田中さん。
“ステイホーム”や“リモートワーク”が普及する中で、特に需要が高まったのは、額絵だそうです。
紅型を1枚飾るだけで空間の雰囲気がグッと華やぐので、季節やインテリアのテイストに合わせて飾ってみるのも良いかもしれません。
4.織物作家:長池朋子
沖縄県本島の南部、八重瀬町(やえせちょう)の工房で織物制作する長池 朋子(ながいけ ともこ)さんのモットーは、温故知新。
琉球王朝時代から続く技法であるロートン織・花織(はなおり)をベースに、新しさを加え、現代でも違和感なく馴染むような品々を制作されています。
こちらは、大きめに作られた色鮮やかなコースター。
ハートの花織が右側の一部欠けているのは「最後のひとかけらは使い手さんに満たしてほしい」と長池さん。
メッセージが隠されているコースターは、大切な人へのプレゼントにもぴったりですね。
17世紀頃に中国から伝わったとされている技法「ロートン織」の由来は諸説あるそうですが、長池さんは「一本の縦ラインを道に例えていて、所々柄の幅が大きくなっているのですが、この広い部分を“休憩場所”と見立てる説があります。ホッと休憩する場所があるなんて、心が和みますよね」と話します。
一枚の布に織り上げた時に“表裏がない”というロートン織の特徴を生かしたのが、こちらの箱巾着。
本来ならば隠れてしまう裏の部分(マチになる部分)を表に出すことで、さりげないおしゃれポイントになっています。
5.伝統工芸の枠を超えて、県内外そして世界へ
(画像提供:tituti OKINAWANCRAFT)
分野の異なる作家さんの個性的なアイテムが集まっているにもかかわらず、しっくりとまとまっている「tituti」の店内。
お互いを感じながら、尊重し、個性を認め合うことで生まれる空間は、それぞれの感性がぶつかることなく、うまく調和がとれるのかもしれません。
(画像提供:フサキビーチリゾートホテル&ヴィラズ)
今年、チーム“tituti”で初めて手がけたのは、石垣島のフサキビーチリゾートホテル&ヴィラズ内の「フサキスパ」の装飾です。
洗練された内装デザインにそれぞれの作家さんの息を吹き込み、個性あふれる贅沢な空間に仕上げました。
今後は県内外、だけでなく海外のホテルの装飾にも関わっていきたいと話す「tituti」の作家さんたち。
沖縄独特の色彩や空気感が県内外、世界にじわじわと進出する日はきっと遠くなさそうです。
今後の展開から目が離せません。
Photo&text:舘 幸子
(取材:2020年10月)
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