石垣空港すぐ近くの森の中にあるやちむん館工房。
大きなガジュマルの木に見守られるようにある工房には、たくさんの島の手しごとがそろっています。
1.たくさんの島の手しごとが並ぶ

「やちむん」とは沖縄の言葉で「やきもの」のこと。
石垣島にあるやちむん館には、やきものと民具を中心に、織り物、染め物、木製の古道具など、島の丁寧な手しごとの数々が並びます。

こちらは、竹富島のアトリエ五香屋さんのやきもの。
石垣島や八重山の島々にある工房のものをはじめ、沖縄本島の作り手さんの作品も多数あり、様々な風合いのやきものがずらりと並んでいます。
お皿やお茶碗、マグカップ、酒器、花器など、それからシーサーもあります。

2.民具づくりの体験もできる


工房では、月桃やアダンなど、島の植物を使った昔ながらの民具を制作していて、民具づくりは体験することもできます。
今製作中のこちらは、月桃をつかったカゴ。
民具づくりはいくつかの形やサイズ、素材から選べます。

こちらの大きな円座は、月桃で編まれたもの。
自分たちやで採取した植物の茎や葉を割いて下ごしらえし、乾燥させたものをひとつひとつ手で編んでいき民具ができあがります。

すぐ近くの白保(しらほ)集落で生まれ育った池原 美智子さんがやちむん館を始めたのは1978年。
土に還るもの、長く使えるものを紹介していきたいと、これまでもやきものや島の民具を販売してきました。

八重山には、カゴ、カバン、草履、笠、柄杓など、暮らしのなかで使われてきた様々な種類の民具があります。
池原さんも小さな頃から親しんできた民具のつくり方は、島の先輩たちから教わりました。
今ではつくる人はだいぶ少なくなってきていますが、先人たちの知恵や島ならではの文化を次世代へ繋げていきたいと民具をつくり続けています。

やちむん館のシンボル的存在の大きなガジュマル。
9000坪もの広い敷地は緑溢れるとても気持ちのいい場所。
きれいに手入れされた様々な植物が育っていて散策もおすすめです。
みずみずしい緑に囲まれ、のんびりとした空気が流れるやちむん館。
石垣島の自然や生活、文化にふれられる、とても素敵な工房です。

Photo:水野 暁子
Text:笹本 真純
(取材:2022年11月)
- 住所: 沖縄県石垣市白保1960-15
- 電話番号: 0980-86-8960
- 営業時間: 10:00~16:00
- 定休日: 水曜・土曜・日曜
- その他: 民具づくり体験は完全予約制となっています。詳しくは店舗へお問い合わせください。
- 店舗詳細URL: https://yachimunkan.co.jp/