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津嘉山酒造所(つかやましゅぞうしょ)

沖縄にはたくさんの酒造所があります。

戦前からの古民家で泡盛造りを続ける「津嘉山酒造所」工場見学で、ちょっとしたタイムスリップを体験してみませんか?

目次

1.重要文化財に指定された酒造所

沖縄県本島北部に位置する名護市。

市内の閑静な住宅街に「津嘉山酒造所(つかやましゅぞうしょ)」はあります。

地元でも「こんなところに酒造所?」と驚かれることも多い、隠れ家的な泡盛酒造所です。

沖縄の原風景を思わせる赤い屋根瓦の建物は国の重要文化財に指定されています。

津嘉山酒造所の創業は大正13年。

工場兼住宅の醸造所は昭和2年から4年にかけて建設され、その後に太平洋戦争で名護市も大変な被害を受けましたが、津嘉山酒造所は幸運にも戦禍を免れました。

戦後、米軍のパン工場として摂取されたことがあり、建物の中に残された当時の名残に、沖縄の歴史が垣間見えます。

▲入口の上に注目。米軍使用時の文字がそのまま残っている

敷地内は表が工場、裏手が住宅というつくり。

300坪以上もありますが、杜氏の秋村 英和さんによれば、津嘉山酒造所は、工場長と秋村さん、たった二人で泡盛を造っているそうです。

▲秋村 英和さん。ほぼ一人で泡盛を仕込む

津嘉山酒造所は、平成21年6月に国の重要文化財に指定されてから、貴重な建物を保存するため平成23年から約7年かけて保存・修理が行われました。

工場見学も受け入れている津嘉山酒造所には、観光客だけでなく地域の人や子どもたちもよく訪れます。

地元で大切にされてきた空間は、独特の時間が流れているように感じます。

▲広い庭と吹き抜ける風が心地よい縁側

2.受け継がれ続ける泡盛「國華」

津嘉山酒造所で造る泡盛は「國華(こっか)」。

二人だけで造れる量を丁寧に仕込んだ銘酒です。

「國華」は30度と43度の2種類があり、さらに甕で3年以上熟成させた古酒があります。

秋村さんは、國華を「泡盛らしい泡盛」だと言います。

昔から変わらない製法と黒麴菌がポイントです。

戦前と同じ場所で泡盛を仕込む津嘉山酒造所の柱には防腐処理がされていません。

「柱が黒くなっているのは黒麴菌の影響」と話す秋村さん。

「建物の中に昔の黒麴菌が残っているのではないかと言われています。なので、できるだけ手を入れない。柱も建て替えてしまうと泡盛の風味に影響するため、傷んだところを削り、部分的に補強して泡盛造りを続けています」。

國華は米のうま味とコク、力強い風味を持ちながらも飲みやすく仕上がった泡盛です。

甘い香りとすっきりした後口は、泡盛初心者や女性にも好評です。

また、貯蔵している甕ごとに味わいが違うそうです。

これは甕や黒麴菌、気候など自然の手によるもので、意図的に味を調えているのではありません。

「泡盛づくりのこだわりをよく聞かれますが、特にないです。原材料も他の酒造所と大きく変わることはありません。

でも、うちの蔵で造ると國華の味になるんです」。

▲出荷の準備も少人数でこなす
▲ラベル貼りもすべて手作業

津嘉山酒造所という稀有な蔵だからこそ生まれる希少な泡盛、ぜひ一度は飲んでみてください。

3.建物見学をのんびり楽しむ

魅力あふれる津嘉山酒造所は、だれでも気軽に見学できます。

予約電話は不要で、案内は杜氏の秋村さんが軽快な語り口で説明してくれますよ。

海外からの観光客も多く訪れているそうです。

昔ながらの丁寧な泡盛づくりの現場はもちろん、歴史的価値が高い建物内もゆったり見ることができます。

蒸留設備の裏がお風呂になっているなど、ここで暮らしてきた人々の生活の知恵を垣間見たり、立派な黒木がある庭を悠々と眺めたり、津嘉山酒造所ならではの楽しみがいっぱいです。

▲蒸留設備。この裏にお風呂がある理由は現場で確かめて
▲居間から見た庭の様子。大きな黒木が目を引く
▲昔の沖縄の屋敷のつくり

沖縄の原風景が残る津嘉山酒造所、沖縄に来たならぜひ訪れたい場所のひとつです。

(取材:2023年6月)

住所: 沖縄県名護市大中1丁目14-6

電話番号: 0980-52-2070

営業時間: 10:00~16:30(見学受入時間)※12:00~13:00は昼休みのため対応不可

定休日: 無休

駐車場: あり

その他: 見学について:予約電話不要(土日祝日は電話応対不可)

店舗詳細URL: https://www.awamori-kokka.co.jp/
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