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ジャッキーステーキハウス

鉄板のジュージューという音と共に、湯気を立ち込めながら登場し、豪快な見た目に反してナイフをいれた瞬間するっと切れる柔らかさ。

戦後1953年に創業以来、おいしいステーキを提供し続け、長きに渡って繁盛する人気ステーキ店が「ジャッキーステーキハウス」です。

地元沖縄県民と観光客のどちらからも絶大な支持を獲得しているこの店。

先代から受け継がれてきた想いやおいしいステーキへのこだわりが歴史とともに刻まれています。

目次

1.戦後の沖縄文化を感じる、ノスタルジックでアイディアあふれるお店

ジャッキーステーキハウス|店舗外観

沖縄都市モノレール「ゆいレール」旭橋駅から徒歩約6分。

西町の雑多な空間の中でひときわ存在感を放つジャッキーステーキハウスは、赤と黄色のアメリカンな外観が目印です。

外観だけでも好奇心がそそられるデザインですが、所々にわくわくする遊び心が散りばめられています。

ジャッキーステーキハウス|席の状況を表す信号機

たとえば「ナニコレ珍百景」でも紹介された、席の状況を表す信号機。

予約不可のこの店にはひっきりなしにお客が訪れるため、店の前で待つこともしばしば。

「待っていただく間、少しでも楽しんでもらいたい」という想いから、この信号機を設置したのだそう。

「やがて空席」「ただいま満席進入OK」など、独特の言葉選びがたまりません。

店内に入ると、那覇に移転した1960年からほぼ変えていないというレトロな空間が広がります。

ジャッキーステーキハウス|レトロな雰囲気の店内

所々に昔の面影を残したオールドアメリカンな雰囲気なのに、オリジナルTシャツの販売や著名人のサインなど、”今現在”の賑わいも感じさせるバランスが絶妙。

多くの著名人が訪れたこの店の壁にはサイン色紙がびっしりと飾られていますが、実はもう飾りきれなくなってしまい、残りはファイリングされています。

ジャッキーステーキハウス|ファイリングされたサイン色紙

レジ前にファイリングされたサイン色紙がまとめられてあり、待ち時間に好きな芸能人を探すこともできるのだとか。

2.先代から受け継がれたアットホームな接客と行動力

ジャッキーステーキハウス|店に飾られている先代の写真

<店に飾られている先代の写真>

この店の創業者である先代は、戦後ニューヨークで働いていた親戚から教えを受け、親戚の営んでいた店「ニューヨークレストラン」の暖簾分けという形で、当初は嘉手納町に店をオープンしました。

ジャッキーステーキハウス|ニューヨークレストラン時代の写真

<提供写真:ニューヨークレストラン時代の写真>

その後時代の流れとともに那覇に移転。

店名を変えたのもその頃でした。

ちなみに店名である「ジャッキー」は、お世話になっていた米軍の常連さんのあだ名が由来なのだそう。

当時数多くあるステーキ店の中でも、ジャッキーステーキハウスは「Aサイン」認証の名店でした。

ジャッキーステーキハウス|Aサインの認証

「Aサイン」とは、本土復帰前の沖縄において米軍公認の飲食店・風俗店に与えられた営業許可証のこと。

衛生面など厳しい審査が抜き打ちで行われていたため、当時Aサインのある店=信頼できる店だと認識されていました。

難しい審査にも通過してしまうほどの先代は「とてもエネルギッシュな人だった」と、娘であり現在社長を務める伊波よし子さんは話します。

ジャッキーステーキハウス|伊波さんと、姉(現・会長)の息子で広報を担当する長田就高さん

<写真:伊波さんと、姉(現・会長)の息子で広報を担当する長田就高さん>

伊波さん「とにかく勉強が好きで、いつも新しいことを学ぶことを楽しんでいる人でした。お客さんとの会話も大好きで、お客様との会話は大事にしろと教えられて育ってきました。今でもその教えは大切にしています」

本来レストランスタイルのステーキ店は、お客の回転を早めたいはず。

ですが伊波さんは先代の教えを守り、2日連続で訪れたお客には「昨日もいらっしゃったんじゃない?」と声をかけるなど、付かず離れず、心地よい距離感のコミュニケーションを大事にしているとのこと。

伊波さん「地元の人もちろん、県外からのお客さんでも『ただいま』ってお店に来てくれる人も多いんです。今広報を務めている甥も、小さい頃から手伝いをしてくれていたので、常連さんに早々に顔を覚えてもらっていました」

3.沖縄のステーキ文化を築き上げた、肉質への厳しいこだわり

ジャッキーステーキハウス|テンダーロインステーキ

おだやかに接客を楽しむ反面、肉質の厳選はとてもシビア。

おいしい肉を選ぶことには妥協がなく、精肉店から卸した肉を一本一本しっかりと目で見て吟味しています。

その厳しさは、入ってきた肉のおよそ3割は使わない判断を下すほど。

その厳格さに、他ステーキ店から来たアルバイトに「こういう肉もボツにするんですか」と驚かれたこともあるとか。

ボツにしたお肉は、ボランティアとして外国から訪れている技能実習生に送ったりなど、沖縄県の貢献に役立てています。

一番人気は、ヒレ肉を使った「テンダーロインステーキ」。

写真はLサイズ(250g)でサラダ・スープ・パンorライスが付いて2800円。

焼き加減はレア〜ウェルダンまで選ぶことができ、調味料には塩・胡椒・醤油・NO1ステーキソースが卓上に配置されています。

ジャッキーステーキハウス|卓上に配置された、NO1ステーキソースなどの調味料

置かれた調味料以外にも、ガーリックパウダー・おろしニンニクはスタッフに頼むと無料で提供されるので、ニンニク好きはぜひお試しあれ。

厳選されたステーキは、塩だけで食べてもよし、次々に味変を楽しみながら味わってもよし。

守り継がれた柔らかいステーキをお手軽な価格で食べることができるジャッキーステーキハウス。

おいしくて、あたたかくて、ユニークさにあふれるこの店でステーキを頬張ると、心も体も元気になること間違いなし。

力をつけたいとき、笑顔になりたいときはぜひこの店に足を運んでみてくださいね。

Photo&text:三好 優実

(取材:2021年5月)

住所: 沖縄県那覇市西1丁目7-3

電話番号: 098-868-2408

営業時間: 11:00~LO翌1時

定休日: 元日(1月1日)/旧盆の最終日/第2・第4水曜日

駐車場: あり

その他: ※新型コロナウイルス等の影響により、営業時間は随時変更の可能性があります。詳しくは公式HPをご確認ください。

店舗詳細URL: https://www.steak.co.jp/
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