那覇空港から東海岸へ、車で約30分のところにある与那原町(よなばるちょう)。
「自家製麺 与那原そば 民芸食堂」に隣接する東浜(あがりはま)エリアは、海と緑の豊かな自然に囲まれた環境でありながら、マリーナや商業施設なども集まる人気のスポットです。
1.約40年前、同じ場所で母が営んでいた「民芸食堂」が与那原(よなばる)そばの原点
沖縄が本土復帰した1970年代に、店主の我謝さんの母親が同じ場所で「民芸食堂」を開いており、地元の方に長年愛されていました。
その頃、周辺は大きな商店街で、与那原大綱曳(よなばるおおつなひき)や盆、正月には、県内各地から訪れる多くの人で賑わっていたそうです。
現在は、東浜エリアを結ぶ道路や橋もできて、新しい通りとして栄えています。
1990年代の後半に、初代「民芸食堂」は閉店しましたが、東京で仕事をしていた我謝さんが約30年ぶりに帰郷し、2010年にお店を復活させました。
東浜エリアの入口の「えびす通り」にあり、我謝さんの温かい人柄が溢れる、アットホームな雰囲気が魅力です。
2.与那原(よなばる)そばの美味しさの秘密は、毎日店内で仕込む自家製の生麺
店主の一押しは「ソーキそば750円(税込)」。
きれいに澄んだスープは、カツオの香りとコク深い味わいが口いっぱいに広がります。
手もみでランダムにちぢれた麺はスープと絡みやすく、コシのある歯ごたえがヤミツキに。
骨付きの本ソーキは、ホロホロとほどけるような柔らかさ。
そばと相性抜群の「ジューシー200円(税込)」も必食です。
店名の通り、「自家製麺 与那原そば 民芸食堂」の沖縄そばのおいしさの秘密は、自家製の生麺。
我謝さん自ら店内の製麺室でほぼ毎朝仕込んでいます。
注文を受けてから、茹でるため、5分ほど時間がかかりますが、できたての食感が楽しめます。
本ソーキと三枚肉、てびち(豚足)、ロースがトッピングされた「祭りそば850円(税込)」。
お肉4種が楽しめる、全部のせ的なメニューです。
ボリューム満点なので、がっつり食べたい方にもおすすめですよ。
3.母の味をベースに、オリジナリティを追求した沖縄そば
カツオと豚骨、鶏ガラをじっくり煮込んだスープは、毎日の天気や気温によって、火加減や煮込み時間を微調整するのがこだわり。
できるだけ母親の味に近づくよう、妹にも味見してもらいながら、試行錯誤を繰り返したそうです。
そこに、我謝さん流の製法も加わり、今の味を作り上げました。
「母の味には追いつきたくても追いつけませんね」と、やさしく語る我謝さん。
母親の店に通っていたお客さんや、親子三世代で訪れる常連さん、毎日たくさんのお客さんが訪れてくれるのが、何よりうれしいといいます。
手間を惜しまず、ていねいに仕上げた「与那原そば」。
ふるさとに帰ったかのように、どこか懐かしい、ほっと心が温まる一杯です。
Photo&text:金城 絵里子
(取材:2019年10月)
住所: 沖縄県与那原町与那原433
電話番号: 090-3802-0588
営業時間: 11:00~15:00
定休日: 木曜日
駐車場: あり
座席: 26席
喫煙: 禁煙