「沖縄そば」を食べたことのある方は多いと思いますが、「八重山(やえやま)そば」となると、その割合はかなり減るのではないでしょうか?
「八重山」とは、沖縄本島から南西に約400kmに位置する石垣島を含む周辺の島々のことで、八重山そばとは、その地方で食べられているそばを指します。
では八重山そばと普通の沖縄そばとは、何が違うのでしょう?
その答えは「あんつく」にありました。
1.石垣島から取り寄せた麺を使った正統派の八重山そばを食べられる
「あんつく」があるのは、那覇市の国際通りに通じる小さな商店街「むつみ橋通り」。
看板はありませんが「八重山そば」と大きく書かれた旗が目印で、石垣島出身の店主が切り盛りする八重山そば専門店です。
八重山そばの大きな特徴は、細長く切った豚肉とかまぼこを炒めた具が乗っていることと、丸太麺を使っていること。
あんつくではその基本を忠実に守っています。
麺は、石垣島でおいしいと評判の「金城製麺所」の丸太麺をわざわざ取り寄せるというこだわりよう。
だし汁にはカツオ節を多めに使い、深いコクがありながらあっさりと仕上げています。
つるんとした食感の麺とじみ栄養があって味わい深いスープは相性抜群。
優しい味わいなので、食欲がない時でもつるっと食べられそうなほど。この味を求め、那覇に住む石垣出身の方もよく訪れるそうです。
2.八重山諸島の泡盛、お酒のおつまみも充実
「あんつく」の営業時間は朝9時から夜12時までと、かなり長め。
その間ずっと、八重山そばはもちろんお酒も飲めるという、お酒好きにはありがたいお店です。
お酒は泡盛がメインで、八重山諸島で作られているものが豊富。
幻の泡盛として知られる「泡波」もあります。
そばを食べながらお酒を飲むのもいいですが、まずはおいしいおつまみを。
おすすめは海ぶどうです。
久高島(くだかじま)産を取り寄せているそうで、一粒一粒が大きいことに驚きます。
食感はプリップリで弾力があり、新鮮そのもの。
チャンプルー類などもあるので、しっかり食事をしながらお酒を楽しみたい方でも安心です。
夜の営業時間に店を担当する店主の息子さんが、気が向いたら三線で民謡を披露してくれることも。
おいしいお酒とおつまみ、八重山そばを味わいつつ、三線の音色に耳を傾ける。
最高の沖縄の夜の過ごし方ですね。
text:仲濱 淳
Photo:白木 裕紀子
(取材:2019年11月)
住所: 沖縄県那覇市牧志3-1-1
電話番号: 090-3070-1972
営業時間: 9:00~24:00
定休日: 無休
駐車場: なし
その他: ※新型コロナにより、記載された営業時間等に変更がある場合があります。