県民のソウルフード沖縄そばは、滞在中に絶対食べておきたいグルメのひとつ。
またひと口にそばといっても、具なしのシンプルなものから三枚肉やソーキそばまでいろいろあります。
豚足を煮付けにしたてびちが乗った「てびちそば」は、時間と手間がかかる分、作る人の愛情が込められた逸品。
県外では専門店でないとなかなかお目にかかれないので、観光で訪れる際は、ぜひ本場の味をお楽しみください。
1.沖縄の太陽のようなおおらかさが旅人を惹きつける
沖縄美ら海水族館のある本部町(もとぶちょう)には、有名な沖縄そば屋が多く、県道84号線沿いは別名「本部そば街道」と呼ばれています。
そんな本部そば街道の入口にある名店「そば屋よしこ」は、地元の人も足しげく通うおすすめの一軒。
味のある外観にも好奇心をくすぐられます。
広々とした店内にはテーブル席と座敷があり、小さな子ども連れの方も利用しやすい空間。
壁には著名人のサインや写真がずらりと飾られ、人気の高さが伺えます。
すてきな笑顔の店主の饒波啓子(よはよしこ)さん。
お客さんからは「よしこおばあ」の愛称で親しまれています。
もともとは弁当屋さんをしていましたが、サービスで提供していた100円そばが評判となり、2002年に沖縄そば屋をオープン。
お客さんの中には弁当屋さんだった頃からの常連さんや、幼い頃に親と一緒にきていた子が大人になって、自分の子どもと親を連れ親子三世代で訪れる方もいるのだそうです。
よしこさんとお孫さんで営むお店。
「いらっしゃいませー!今日いい天気ですね」と明るい声で出迎えて、帰りは「お腹いっぱい食べられましたか?また寄ってくださいね」と送り出してくれる微笑ましい様子も印象的です。
このような沖縄らしいおおらかさが、皆さんに愛される所以なのではないでしょうか。
2.旨味がジュワ〜と溢れ出す、よしこさんお手製のてびち
麺が見えなくなるほど大きなてびちが入った「てびちそば(大)850円/税込」。
プルプルで見るからにコラーゲンたっぷりのてびちは、箸がスーッと通るほど柔らかく、身が骨から簡単にはがれます。
肉のとろける旨味と甘味が口の中いっぱいに広がり、意外とあっさりとして食べやすく、シャキシャキのレタスが肉の脂ともよく合います。
本部町は鰹の産地として有名なこともあり、出汁は鰹節と豚骨、昆布を使用。
また麺は、名護にある老舗製麺所「三角屋」。
それ以外のものを使うと、お客さんから「麺変えたの?」といわれるくらいおいしいので、昔からそう決めているそうです。
沖縄風炊き込みご飯の「じゅうしぃ250円(税込)」は、パラパラのご飯に隠し味の肉の煮汁がコク深い味わい。
午後には売り切れることがあるのも納得のおいしさです。
せっかくなら、てびち・ソーキ・三枚肉ががっつりトッピングされた「ミックスそば900円」をオーダーするのもおすすめ。
ボリューム満点で男性でもお腹いっぱいになるはずです。
ピリ辛が好きな方は、よしこさんの畑でとれた唐辛子をつかった自家製コーレーグース(唐辛子の泡盛漬け)を、ちょい足しして味変も楽しんでみてくださいね。
よしこさんの愛情が詰まった沖縄そば。
シンプルだからこそ、こだわりやオリジナリティが光る、沖縄旅行で一度は食べてほしい逸品です。
Photo&text:金城 絵里子
(取材:2020年10月)
住所: 沖縄県国頭郡本部町伊豆味2662
電話番号: 0980-47-6232
営業時間: 10時〜16時
定休日: 金曜日
駐車場: あり
座席: 約40席
喫煙: 屋外喫煙可